アウレリウス・ダンブルドア(1901年頃生)とは20世紀に活動したアメリカの半純血の魔法使いである。クリーデンス・ベアボーンとして知られていた彼は反魔法族のノーマジ組織新セーレム救世軍指導者メアリー・ルー・ベアボーンの養子になった。魔力を押さえつけていたため、彼の体内でオブスキュラスと呼ばれる寄生的な力が発生しオブスキュリアルとなった。ほとんどのオブスキュリアルは10歳の誕生日を迎える前に死亡するがアウレリウスは成人まで生き延びた。これは魔法界にとって前代未聞の事象であった。
アウレリウスはゲラート・グリンデルバルドに必要とされていた。グリンデルバルドは彼の革命運動に対して最大の障壁となるアルバス・ダンブルドアを殺害するためクリーデンスを利用しようとしていたのであった。自分の正体を探る旅の中、アウレリウスはグリンデルバルドの呼びかけに応えて軍隊に加わった。しかし、自身の性質が自身の体を蝕みつつあった彼は、1932年にグリンデルバルドへの忠誠を放棄し、アバーフォース・ダンブルドアと共に家へ帰っていった。
経歴[]
生い立ち (1901年~1905年)[]
クリーデンス・ベアボーンは1901年、アウレリウス・ダンブルドアとしてアバーフォース・ダンブルドアと氏名不詳の母親の間に誕生した[4]。
1901年のアメリカ行きの航海中、リタ・レストレンジという少女が異母弟コーヴァスとクリーデンスをベビーベッドですり替えた。嵐によりリタ、アーマ・ドゥガード、異母弟が乗っていた船が沈没した。コーヴァスが乗った救命ボートは転覆し彼とクリーデンスのおばが溺死した。赤子のクリーデンスはアメリカに連れて行かれ、コーヴァスの代わりに養子の手続きが行われた。このことを知っていたのはリタのみであった。
養子 (1905年~1926年)[]
"あの子はクリーデンスよ。母親に撲たれたの。他の養子もみんな虐待されてる。でも彼が一番ひどい" —ティナ・ゴールドスタイン [出典]
1905年10月21日、彼は過激な反魔法族団体、新セーレム救世軍のリーダにしてアメリカのノーマジ女性であるメアリー・ルー・ベアボーンの養子となった。メアリーは彼をクリーデンス・ベアボーンと新たに名付け、ふたりの養女チャスティティとモデスティと一緒にニューヨークで育てた。クリーデンスは3人の中でもっとも年長であった。
メアリー・ルーは養育の傍ら、クリーデンスの魔力を抑えようと彼に精神的および肉体的な虐待を加えた。彼女はたびたびベルトを用い、クリーデンスの手には傷跡が絶えなかった。日常的な虐待によりクリーデンスはやがてオブスキュリアルとなった。
メアリー・ルーはクリーデンスの母親を「邪悪で異常な女」と見なしており、彼の家系について知っていた可能性がある。
ある日、クリーデンスに暴力を加えていたメアリー・ルーは、闇祓いポーペンティナ・ゴールドスタインに魔法で攻撃された。非魔法族の眼前において魔法を使用することによって、大規模な忘却術の執行が必要となった。これは大スキャンダルとなりポーペンティナは魔法の杖認可局に左遷されることになった。
世界魔法大戦[]
ゲラート・グリンデルバルドとの出会い[]
"魔法使いの世界に入りたいんだろ?一緒に実現しよう、クリーデンス。君のためにも。子どもを見つけろ。そうすれば我々は自由だ" —ゲラート・グリンデルバルド [出典]
1926年12月までに、クリーデンスはオブスキュラスのコントロールを失っていた。オブスキュラス暴走しニューヨークの街に破壊をもたらしていた。この現象は「ニューヨーク・クラリオン」のようなマグルの新聞から「ニューヨーク・ゴースト」のような魔法界の新聞にも報じられた。
この時期、クリーデンスはパーシバル・グレイブスに成り済ましたゲラート・グリンデルバルドと頻繁に接触していた。グリンデルバルドは以前見たヴィジョンに登場したオブスキュリアルがクリーデンスに関連していると確信しており、それを捜索するよう言葉巧みに彼を説得した。グリンデルバルドはその代わりにクリーデンスを自由にして魔法を教えると約束していたのであった。
12月6日、セカンド・セーラマーズはヘンリー・ショー・シニアから資金援助を取りつけることに失敗し、その際にクリーデンスは上院議員であるショーの息子に侮辱された。その夜、クリーデンスのオブスキュラスが暴走し、市庁舎で行われていたファンドレイジング・ディナーの最中にその上院議員を殺害した。この事件により、魔法界が危険にさらされることになったのであった。
オブスキュリアルのニューヨーク襲撃[]
- ゲラート・グリンデルバルド: "君なら意志の力で抑えられる"
- クリーデンス・ベアボーン: "抑えたいとは思わない"
- ―オブスキュラスをコントロールすることについて、グリンデルバルドとクリーデンス[出典]
翌日、クリーデンスはモデスティのベッドルームでおもちゃの杖を見つけた。その場に現れたメアリー・ルーは、モデスティが自分の物であると主張したにも関わらず即座にクリーデンスが杖の持ち主であると決めつけた。メアリー・ルーがまたもやクリーデンスを痛めつけようとするとクリーデンスのオブスキュラスが暴走した。闇の力はメアリー・ルーとチャスティティを殺害すると家も破壊した。
グレイブスへの変装を続けていたグリンデルバルドはセカンド・セーレム教会の残骸に姿を見せると、昔の家に逃げたモデスティを連れてくるようクリーデンスに命令した。グリンデルバルドはモデスティこそが予見に現れた子どもであると確信していた。
ブロンクスに到着すると、グリンデルバルドはもうクリーデンスに用はないと言い放った。彼はクリーデンスをスクイブであると一蹴すると魔法を教えるという約束も反故にしてしまった。この裏切りによりクリーデンスのオブスキュラスが姿を見せグリンデルバルドを驚かせた。グリンデルバルドは謝罪して訓練を授けると約束したがクリーデンスは自ら力を解放し完全なオブスキュラスに変身した。クリーデンスは怒りにまかせてニューヨークの街を破壊して回った。
見せかけの死[]
- セラフィーナ・ピッカリー: "オブスキュラスを生む者は殺せと私が命じました"
- ゲラート・グリンデルバルド: "ああ。あなたの行いは歴史に残るだろうな...大きな過ちとしてね"
- ―クリーデンスの見せかけの死について、セラフィーナ・ピッカリー議長とグリンデルバルド[出典]
地下鉄までクリーデンスを追跡したニュートン・スキャマンダーはなんとかクリーデンスを落ち着かせることに成功した。だがこの魔法動物学者が次の行動に移る前に黒い魔法使いグリンデルバルドが現れ、戦闘が巻き起こった。この戦いに刺激されたクリーデンスは再びオブスキュラスに変身したが、ティナ・ゴールドスタインがもう一度彼を落ち着かせた。
襲撃により集まったマクーザのセラフィーナ・ピッカリーと闇祓いたちはいくつもの呪文を発してクリーデンスを攻撃した。彼らはオブスキュラスが破壊されたかに見えるまで攻撃の手を緩めることはなかった。しかしクリーデンスのオブスキュラスの一片がこの現場から逃げ出したことに、ニュート以外に気づいた者はいなかった。
この事件によりグリンデルバルドは逮捕され、クリーデンスは死亡したと思われていた。魔法機密を守るため、数千人のノーマジがオブリビエイトされる結果となった。
復活[]
ニュート以外に気づいていた者はいなかったが、オブスキュリアルはオブスキュラス状態の時に殺害することは不可能であるため、クリーデンスは生き延びていた。オブスキュラスのひとかけらとなったベアボーンは地下鉄から抜け出して破壊されたセカンド・セーレム教会にたどり着いた。彼のオブスキュラスのすべてのかけらがひとつになると、クリーデンスは人間の体に戻った。彼は目的のものを見つけるまでがれきの中を探し続けた。それは養子縁組の書類であった。
出自を探す旅[]
書類を見つけたのち、クリーデンスは残酷な団長スケンダー率いる巡業魔法サーカス、摩訶不思議サーカスに加わった。クリーデンスは団員たちと旅を続けてヨーロッパに上陸しやがてパリにたどり着いた。
ヨーロッパ滞在中、クリーデンスはナギニという名前のマレディクタスと知り合い、親しい関係を築いた。
ニューヨークの事件から6ヶ月後、ゲラ-ト・グリンデルバルドはヨーロッパに護送される途中に脱走した。それからさらに3ヶ月後、グリンデルバルドはアルバス・ダンブルドアを殺すことができるクリーデンスの力を求めてパリに姿を見せた。
クリーデンスの正体に関する噂は広まりつつあった。ユスフ・カーマはクリーデンスがコーヴァス・レストレンジ5世であると考えていた。コーヴァス5世の父親コーヴァス・レストレンジ4世はカーマの母親に服従の呪文をかけて結婚に持ち込んだのであった。カーマは父親の死の床において、コーヴァス4世がもっとも愛する者を殺害すると破れぬ誓いを立てていた。カーマはそれがコーヴァス5世であると信じていた。
ナギニとの逃走[]
摩訶不思議サーカスでの待遇に嫌気がさしたクリーデンスとナギニは、ユスフ・カーマとポーペンティナ・ゴールドスタインに居場所を発見されたこともあって脱走を計画した。クリーデンスは数匹の動物を放って混乱を引き起こしそのすきに脱出に成功した。
その後、クリーデンスとナギニはフィリップ・ローランド通り18番地に向かったが、賞金稼ぎガナー・グリムソンに追跡されていた。ベアボーンはここで、養子縁組の書類に名前が載っていた半妖精、アーマ・ドゥガードに会った。彼はドゥガードこそが自分の母親であると考えていた。ドゥガードは彼を手放したくなかったことを明かし、レストレンジ家の単なる使用人でしかなかったと説明した。
穏やかなひとときが流れたが、グリムソンが現れてナギニを壁に閉じ込めた。グリムソンはクリーデンスが出生の秘密を知ることがないよう、ドゥガードを殺害するよう命令されていたのであった。オブスキュラスが姿を現わし、クリーデンスはグリムソンを殺そうとしたが失敗した。
その後、クリーデンスとナギニはエッフェル塔近くの家に身を隠した。クリーデンスはここで小鳥の世話をするようになった。グリンデルバルドはクリーデンスを見つけ出し、本当の家族を知るチャンスを与えると申し出た。真実を知る用意ができていたクリーデンスはこの黒い魔法使いからペール・ラシェーズ墓地への地図を受け取った。
レストレンジ家の霊廟において、クリーデンスとナギニはユスフ・カーマやジェイコブ・コワルスキーと遭遇した。クリーデンスがコーヴァスであると信じていたカーマは彼を殺そうとしたが、ニュート・スキャマンダー、ティナ・ゴールドスタイン、カーマの異父妹リタ・レストレンジが合流した。本物のコーヴァス・レストレンジは死亡したとして、クリーデンスはカーマの異父弟ではないとリタは主張した。リタは父親が彼女と弟を船に乗せてアメリカに送り込んだ時の話しを聞かせた。泣き叫ぶ弟から離れたかったリタは船に乗っていた別の赤子と弟をすり替えたのであった。その子どもこそがクリーデンスであった。リタが赤子を戻す前に船は沈没し本物のコーヴァス・レストレンジは溺死したのであった。
グリンデルバルドの軍隊への参加[]
リタの告白ののち、クリーデンスと他の者たちはグリンデルバルドの集会に出世した。集会は闇祓いたちの登場により大混乱に陥った。グリンデルバルドは青い炎の輪を自分の周りに作り出し、支持者達の忠誠心を試す仕掛けを施した。心からグリンデルバルドに忠誠を誓い彼の思想に賛同する者は無傷で炎を通過することができ、そうで無い者は炎に飲み込まれて死亡する仕掛けであった。ナギニの反対を押し切り、クリーデンスは輪に入りグリンデルバルドの味方に加わった。彼はグリンデルバルドが家族の情報を知っていると信じていたのであった。
それからまもなく、オーストリア、ヌルメンガード城において、グリンデルバルドはクリーデンスが世話をしていた幼鳥が実は不死鳥であったことを明かした。伝説によれば、不死鳥は必要に迫られたダンブルドア家のメンバーのもとに姿を見せるという。そしてグリンデルバルドはクリーデンスに杖を渡して出生時の名前を教えた。その名前とはアウレリウス・ダンブルドアであった。
1932年[5]、クリーデンスは彼の叔父であるアルバス・ダンブルドアとベルリンの大通りで出会い、決闘に発展した。彼はオブスキュラスの力を利用して戦ったがダンブルドアの力には敵わなかった。
ダンブルドア家への帰還[]
ダンブルドアとの出会いの後、クリーデンスはアバーフォース・ダンブルドアに家に帰りたいというメッセージを送ることに成功し、グリンデルバルドのは麒麟は1頭しかいないと嘘をつこうとしたが失敗に終わった。この時点で、クリーデンスは "オブスキュリアル "の性質に毒され、ゆっくりと死へと近づいていった。不死鳥が彼の元に来た本当の理由は、同じくオブスキュリアルである妹アリアナと似たようなものを見て、ダンブルドアが認識していたものだったのだ。ダンブルドアはニュートに、クリーデンスと違いアリアナは生前、魔法の発現を学んでいなかったと語った。
その後、ブータンでクリーデンスはバンティ・ブロードエーカーとニュートがグリンデルバルドが国際魔法使い連盟の新しい最高魔法使いになろうとしていることを暴露するのを手助けした。クリーデンスがグリンデルバルドの麒麟との欺瞞を暴くのを手伝ったとき、彼の不死鳥が頭上を飛び、闇の魔法使いの顔に灰を落とし、それをクリーデンスが親指でつぶした。その後、グリンデルバルドは死の呪いでクリーデンスを殺そうとしたが、アルバスとアバーフォースがそれを阻止しクリーデンスを救い血の誓いの魔法を解いた。
アバーフォースはクリーデンスを担いで階段を下り彼を座らせた。弱ったクリーデンスは左頬に涙を浮かべていた。父は自分のことを思ってくれているのだろうかと尋ねると、アバーフォースは「いつも」と答えた。クリーデンスは頷き、父と一緒に帰ることにした。アバーフォースはクリーデンスを抱え、不死鳥に連れられて階段を下りていった。 一方、アルバスはクリーデンスがオブスキュリアスのために救われないこと、つまり、クリーデンスには限られた時間しか残されていないことを確信した。
個性と特徴[]
クリーデンスはシャイで引っ込み思案な性格で、非常に傷つきやすく、その性格故にゲラート・グリンデルバルドによって言葉巧みに動かされてしまった。
しかし、彼が傷つけられたり脅されたりした際には内なるオブスキュラスを解き放ち、周辺の建物を破壊し時には人を殺すこともあった。
外見[]
クリーデンスは黒い髪に茶色の瞳の外観だった。彼はしばしば神経質になることがあった。1926年の服装は黒ネクタイにドレシャツと革ベルトを身につけていた。
1930年代になると彼の外観は一変して、長髪に黒のコートを着ていた。
魔法能力と特徴[]
- オブスキュラス:クリーデンスは稀に見るオブスキュリアルであり、長年に渡って抑圧された環境にいたため魔法を抑制せざるを得ず、それが破壊的な力を生み出す源となっていた。彼は他のどのオブスキュリアルよりも強力はオブスキュラスを放出することができた。
- 魔法の素質:彼は家庭環境の影響もあり魔法を使うことは出来なかったが、潜在的に強力な魔法力を持っていた。彼が初めて杖を与えられた際、一振りで山腹を破壊した。
- 姿現し:彼がどこで学んだかは不明だが、姿現しを自由自在に使いこなせていた。
名前の由来[]
「Credence」は「信用」や「信じること」を意味するラテン語「credere」、あるいは「信条」を意味する「credentia」に由来する名前[6]。「Barebone」はアングロサクソンの姓であるがイギリスの村、BarbonあるいはBarbourneから派生したものである[7]。
舞台裏[]
- 『ファンタスティック・ビースト』シリーズでクリーデンスを演じたのはエズラ・ミラーである。
- 脚本によればクリーデンスの生まれた年は1901年である。しかし、彼の養子縁組証明書には1904年と記述されていた。どちらの設定が正史なのかは不明である。
登場作品[]
- ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅 映画オリジナル脚本版 (初登場)
- ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅
- ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生 映画オリジナル脚本版
- ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生
- ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密
- LEGO Dimensions
- レゴ ハリー・ポッター
- ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生 魔法のアーカイブ
- ポッターモア
- Wizarding World
- ハリー・ポッター:魔法同盟
- ハリー・ポッター:魔法の覚醒
脚注[]
- ↑ アバーフォースは1899年に女性と会っているため、すなわちそれから9.10ヶ月後の1900年前後に生まれた可能性が高い。しかし、ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生の脚本には1901年生まれとの記述がある。
- ↑ ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密でクリーデンスの体はオブスキュラスの力によって蝕まれており、死にかけの状態だった。アバーフォースと共に家に帰った後の彼の人生は明らかにされていないが、生き残ったとしても残りの寿命はほとんどないと考えられる。
- ↑ 父アバーフォースは魔法使いだが、実の祖母であるケンドラはマグル生まれであるため
- ↑ ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密オリジナル脚本
- ↑ 1932年の日刊預言者新聞の国際大魔法使い選挙の記事 (この画像を参照)
- ↑ Etymology - Credence
- ↑ House of Names - Barebone Family
グリンデルバルドの軍隊 | ||
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