"蜘蛛だ。木の葉の上にうじゃうじゃしている細かいクモとはモノが違う。馬車馬のような、八つ目の、八本脚の、黒々とした、毛むくじゃらの、巨大な蜘蛛が数匹。ハリーを運んできたその巨大蜘蛛の見本のようなのが、窪地のど真ん中にある靄のようなドーム型の蜘蛛の巣に向かって、急な傾斜を滑り降りた。仲間の巨大蜘蛛が、獲物を見て興奮し、鋏をガチャつかせながら、その周りに集結した。" —アクロマンチュラについて説明するハリー・ポッター [出典]
アクロマンチュラ(Acromantula)は、東南アジアの熱帯雨林に棲息する巨大な蜘蛛の一種で、特に密集して生息しているのはボルネオ島である。アクロマンチュラは、住居や宝物を守るために魔法使いに作りだされた魔法生物であると考えられており、1965年に実験的飼育禁止令が作られるよりも前に作りだされていた。人肉を好むこの巨大蜘蛛は、1794年にはじめて発見された。
外見[]
アクロマンチュラは、八つの黒い眼(盲目の場合は白)をもち、通常厚く黒い毛に覆われており、脚の長さは4.5メートルに及ぶ。大人の場合、馬車馬のサイズになる。
彼等は生きた獲物や、死んでいる自分の親戚を食べるときに使う巨大な鋏を持っている。彼らの鋏は、興奮したり怒ったりしたときに特徴的なカシャカシャというクリック音を出す[1]。また、興奮するときに毒も分泌している[2] 。彼等には知力と、人間の言葉を話す能力がある。
牙には非常に強い毒液があり、1996年の時点では半リットルで100ガリオンもの価値があった[3]。
繁殖[]
女性の方が通常、男性よりも大きく、一度に100個までの白くやわらかなビーチボールほどの卵を産む。この卵は、通常6週間から8週間ほどで孵化する[1]。アクロマンチュラの卵は取引禁止品目Aクラスに指定されている[1]。
行動[]
魔力を持たない普通の蜘蛛とは対照的に、アクロマンチュラは社会的な動物であり、100匹以上の群れからなる大きな巣に住んでいる。これらの巣では、最年長の男性と女性が群れを統率しており、群れの中にいるアクロマンチュラから尊敬をされ、絶対的な服従をしている。その例としては、アクロマンチュラのアラゴグは、卵の状態からまだ学生だったハグリットに大切に育てられたために、大事な親友と慕っており、アクロマンチュラの本能である人を襲う事を我慢し、ハグリットだけはアラゴグの巣に入っても食べる事がないようにと命令していたためにハグリッドだけは襲われることなく巣のなかに行く事が出来た。
アクロマンチュラは、ほかの知的な生物に対して感謝や尊敬などの感情的な癒着を抱くことがあるが、それは幼い頃であったり、生まれた時からであった場合に限られる。この感情的な行動を見せているいい例としては、ハグリッドとアラゴグであり、この両者の間には友情があり、ハグリッドがまだ卵だったアラゴグを大切に育てたためにハグリッドのことだけは襲わずにいる[4]。しかし、この友情というものは、アラゴグとハグリットの間にしかなく、ハグリッドの親友であったとしてもアラゴグの友達ではないという見方をしている。ハグリッドがアラゴグの巣にハリーとロンを行かせたときは少し話しはしたが襲おうとし、アラゴグが死亡したのちはハグリッドが巣に行こうとすると、ほかのアクロマンチュラたちはアラゴグの大切な親友であったと知りながらも、ハグリッドを食べようとした。
アクロマンチュラは誰か群れのメンバーが死ぬと、その死んだ死体をみんなが食べる習性がある。この習性は、たとえリーダーであったとしても変わらず、食べようとする。誰かが死ぬことでアクロマンチュラがその仲間の死を嘆くことがあるのかどうかは不明であり、この食べるという習性が仲間の肉を食らうことでその仲間を自分の中で生かすというような考えを持ち、仲間をとむらう葬儀の儀式になっているのか、それとも単に食料としてみているのかは不明である[3]。
バジリスクは、魔法界のなかのヴォルデモート卿と同じように、アクロマンチュラのなかではバジリスクの話をしないほど恐れられており、蜘蛛のなかでの最大の天敵である。そのため、バジリスクと云う言葉は使わずに、ほかの湾曲した表現でバジリスクを表現している。蜘蛛は八つの眼を持っているために非常に視界が広く、バジリスクの死の目を見て仕舞いやすく、バジリスクからして蜘蛛が非常に脆弱な存在だと捉えている。
生息地[]
アクロマンチュラは、うっそうたるジャングルがある地域に住み着き、その住処は大きなドーム状になっている[1][4]。
登場[]
アラゴグと、アラゴグの妻であるモサグによって、ホグワーツ魔法魔術学校の禁じられた森にアラゴグの群れが作られた。ルビウス・ハグリッドは、アラゴグを卵から孵した当初は学校の地下牢で育てていた。1943年にトム・リドルによって秘密の部屋が開かれ、アクロマンチュラの最大の天敵であるバジリスクが動き出すと、アラゴグがその気配を感じ取り、ルビウス・ハグリッドに頼み込んで禁じられた森で生活することになった。[4]
1995年に開催された、三校対抗試合の第三の課題では、アクロマンチュラが優勝カップの近くに配置された。ハリー・ポッターと、セドリック・ディゴリーは、アクロマンチュラを打ち負かすために二人の呪文を重ねて威力を増させることでなんとか勝つ事が出来た[5]。
禁じられた森のアクロマンチュラの群れは、1998年に起きたホグワーツの戦いに死喰い人たちが禁じられた森から追い出して、ホグワーツ城へ向かった時に一緒に参戦していた。ルビウス・ハグリッドは、アラゴグの子孫を守ろうとしたが、アクロマンチュラの群れのなかにのみ込まれてしまい、その後死喰い人によってとらえられていた。
名前の由来[]
アクロマンチュラ(Acromantula)のアクロ(Acro)は、高い、または最高点を意味するギリシャ語のακρος(acros/acro)から来ている。そして、マンチュラ(-mantula)は、英語のタランチュラが由来となっている。アクロマンチュラはその名前の通り、木の頂で広大な蜘蛛の巣をつくる傾向がある巨大な蜘蛛である。タランチュラとアクロマンチュラは表音的にも非常に類似している名前であるにもかかわらず、アクロマンチュラはどちらかといえばウルフ・スパーダ―に似ており、すべての描写においてアラニアモーフィーと似ている。
アクロマンチュラの八つ目というのは、ルーンアルファベットの八番目を象徴している[6]。
舞台裏[]
- 『ハリー・ポッターと秘密の部屋』の映画版では、ハリー・ポッターはアクロマンチュラの群れから逃げようとして、フォードアングリアに乗り込むときなどでアラーニア・エグズメイという、蜘蛛に対して有効な死の呪文をつかった。この呪文は、リドルの日記の中でトム・リドルがまだ幼かったアラゴグに対して使用しているのをハリー・ポッターが見て学んだ。この呪文は、本のなかでは一度も言及されていない。
- ハリー・ポッター・アンド・ザ・フォービドゥン・ジャーニーでは、ライダーは禁じられた森の中で、アクロマンチュラの群れに出会っている。
- 映画版では、本ではあかされていない詳細であるが、アクロマンチュラは人間の目の高さに二つの大きな眼があり、その下に四つの小さな目が並び、頭の両側に二つの眼がある。
関連項目[]
- アクロマンチュラの毒
- アラゴグ
- アラーニア・エグズメイ
- 禁じられた森のアクロマンチュラの巣
- モサグ
登場作品[]
- ハリー・ポッターと秘密の部屋 (初登場)
- ハリー・ポッターと秘密の部屋 (映画)
- ハリー・ポッターと秘密の部屋 (ゲーム)
- ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 (ボガートの変身にて)
- ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 (映画) (外見をみれる)
- ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 (ゲーム) (ボガートの変身にて) (GBAバージョンのみ)
- ハリー・ポッターと炎のゴブレット
- ハリー・ポッターと炎のゴブレット (映画) (ディスク 2)
- ハリー・ポッターと謎のプリンス
- ハリー・ポッターと謎のプリンス (映画)
- ハリー・ポッターと謎のプリンス (ゲーム)
- ハリー・ポッターと死の秘宝
- ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1
- ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1 (ゲーム)
- ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2
- ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2 (ゲーム)[7]
- 幻の動物とその生息地
- ハリー・ポッター とびだししかけえほん
- LEGO Harry Potter: Building the Magical World
- レゴ ハリー・ポッター
- レゴ ハリー・ポッター 第1章-第4章
- レゴ ハリー・ポッター 第5章-第7章
- ハリー・ポッター・アンド・ザ・フォービドゥン・ジャーニー
- テンプレート:JKRS
- ハリー・ポッター カードゲーム
- レゴ ハリー・ポッター
- ハリー・ポッター魔法生物大図鑑
脚注[]
- ↑ 1.0 1.1 1.2 1.3 幻の動物とその生息地
- ↑ Harry Potter Bloomsbury Glossary: Acromantula: exact quote: Monstrous eight-eyed, hairy spiders capable of human speech. Carthorse-sized and carnivorous, they have eight legs and sharp pincers. When excited or angry, they make a distinctive clicking sound and secrete poison. They fear Basilisks.
- ↑ 3.0 3.1 ハリー・ポッターと謎のプリンス
- ↑ 4.0 4.1 4.2 <ハリー・ポッターと秘密の部屋
- ↑ ハリー・ポッターと炎のゴブレット
- ↑ J.K.ローリング オフィシャルサイト
- ↑ In the Chamber of Secrets, a door is about to close. You can then see an Acromantula walking towards you before the door is closed.
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