"一番上の兄は戦闘好きでしたから、存在するどの杖よりも強い杖をくださいと言いました。決闘すれば必ず持ち主が勝つという、『死』を克服した魔法使いにふさわしい杖を要求したのです!" —吟遊詩人ビードル著『三人兄弟の物語』より [出典]
アンチオク・ペベレルは純血[3] の魔法使いで、ペベレル兄弟の長男。アンチオクは弟のカドマスやイグノタスと同じく優れた魔法の技術を供えていたが、好戦的な一面があった。アンチオクたちは『三人兄弟の物語』のモデルとされ、死の秘宝の最初の所有者である。『三人兄弟の物語』ではアンチオクが『死』からニワトコの杖を与えられたことになっているが、彼自身がこの杖の製作者である可能性もあり、真相は定かではない[4]。
経歴[]
死との遭遇[]
吟遊詩人ビードルが著した『三人兄弟の物語』によると、ペベレル兄弟は『死』からそれぞれ秘宝を授かった。ペベレル兄弟は危険な川に魔法で橋を架けて渡った際、彼らを殺すことができずに腹を立てた『死』から話しかけられ、それぞれが望むものを褒美として与えると言われた。好戦的なアンチオクは「存在するどの杖よりも強い杖」、すなわち「決闘すれば必ず持ち主が勝つという、『死』を克服した魔法使いにふさわしい杖」を求め、ニワトコの杖を授けられた[5]。
ニワトコの杖の所有者[]
その後、ペベレル兄弟はそれぞれ異なる目的地へ旅した。アンチオクは人里離れた村へ行き、争っていた魔法使いを見つけて対決を挑んだ。ニワトコの杖を持つアンチオクはやすやすと戦いに勝利し、倒れた敵を残してその場を去った。その後、アンチオクは旅籠へ行き、『死』そのものから奪った無敵の杖を大声で自慢した。その夜、1人の魔法使いが眠っているアンチオクの喉を掻っ切って殺し、ニワトコの杖を持ち去ってしまった[5]。
死後[]
アンチオクは他の兄弟とともにゴドリックの谷にある聖クレメンタインの教区教会に埋葬されている[6]。
アンチオクはトム・マールヴォロ・リドルやハリー・ポッターの遠い親戚である。トム・リドルとハリー・ポッターはそれぞれ、カドマスとイグノタス・ペベレルの子孫に当たる[7]。
個性と特徴[]
『三人兄弟の物語』によれば、アンチオクは戦闘好きな人間で、他の魔法使いを超える力を求めていた。彼はもともと強力だったがそれだけでは満足せず、存在するどの杖よりも強い杖を『死』に求めた。
ペベレル兄弟の命を奪おうと企んでいた『死』にとって、アンチオクの願望はまさに期待通りだった。戦闘を追い求めるあまり『死』の意図に気づけなかったアンチオクは、最強の杖を手に入れたことを周囲に吹聴してしまった。結局アンチオクはワインで酔いつぶれ、自ら作った敵によって命を奪われてしまった。アンチオクは戦闘好きで自己中心主義な性格が災いし、ペベレル兄弟の最初の犠牲者となった。
ただし『三人兄弟の物語』で描かれた長男の性格は、吟遊詩人ビードルによって脚色されたものである可能性がある。
名前の由来[]
古代シリア王国の都市アンティオキア(Antioch)が由来と思われる。
登場作品[]
- ハリー・ポッターと死の秘宝 (初言及)
- ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1 (初登場) (回想場面)
- ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1 (ゲーム) (回想場面)
- レゴ ハリー・ポッター 第5章-第7章
- 吟遊詩人ビードルの物語
脚注[]
- ↑ ハリー・ポッター 公式ガイドブック 映像の魔術 (この画像を参照) 弟のイグノタスが1214年7月12日生まれであるため。
- ↑ ハリー・ポッター 公式ガイドブック 映像の魔術 (この画像を参照) アンチオクより長生きしたイグノタスが1292年5月19日死没であるため。
- ↑ 3.0 3.1 『ハリー・ポッターと死の秘宝』第22章 死の秘宝 - ハーマイオニー・グレンジャーのセリフ「『ペベレル』っていう名前は、たった一か所しかなかったわ。『生粋の貴族―魔法界家系図』。クリーチャーから借りた本よ。男子の血筋が現在では絶えてしまっている、純血の家系のリストなの」
- ↑ 『ハリー・ポッターと死の秘宝』第35章 キングズ・クロス
- ↑ 5.0 5.1 『ハリー・ポッターと死の秘宝』第21章 三人兄弟の物語
- ↑ ポッターモア - Explore the story: "Godric's Hollow graveyard"
- ↑ 『ハリー・ポッターと死の秘宝』第22章 死の秘宝
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