ウェブスター・ブート(1621年頃生)は、イルヴァーモーニー魔法魔術学校の4人の創設者の1人であり、ワンプス寮を創設したアイルランド系アメリカ人の魔法使いである[2]。
二歳差の実兄はチャドウィック・ブート[4]、養父母はイゾルト・セイアとジェームズ・スチュワード[2]。
彼はイルヴァーモーニーを卒業すると雇われの闇祓い[5]として働きはじめ、あるとき仕事でロンドンに赴いた。そしてそこでスコットランド人の魔女(魔法省勤め)と恋に落ち、そのままイギリスに定住した[2]。そのため彼の子孫はホグワーツで教育を受けている[2]。
経歴[]
生い立ち[]
ウェブスターはアイルランドで魔法使いのブート氏と魔女のブート夫人のもとに1621年頃に生まれた[1]。 彼には2歳年上の兄チャドウィックがいた。
幼少の頃、ブート一家は冒険を求めてプリマス開拓団に交じり新大陸へ旅立った[2]。
イルヴァーモーニーの創立[]
ある日ウェブスターは家族とともに森へ冒険しているとき、ハイドビハインドに襲われる。両親は殺されたが、彼と兄はイゾルト・セイアに救われ、看病してもらった。やがて、兄弟同様プリマス開拓団とともに旅をしていたノーマジのジェームズ・スチュワードが加わり、行方の分からない彼らの家族を探しに行くことになった。
ジェームズはブート夫妻の遺体のそばに落ちていたブート氏の壊れた杖を他意なく振ってしまい、杖の反発で吹き飛ばされ頭を打ち脳震盪を起こした。そのためウェブスター達同様ジェームズもイゾルトのもとで療養することになった。
ウェブスターと彼の兄はイゾルト、ジェームズの2人と絆を育んでいき、最初彼らの魔法を恐れていたジェームズもやがて考えを変えた。ジェームズは3人がグレイロック山にイルヴァーモーニー・コテージを建てるのを手伝った。
やがてジェームズとイゾルトは恋に落ち、ついに結婚した。そしてブート兄弟は彼らの養子として受け入れられ、彼らとともにコテージで暮らし始めた[2]。
ウェブスターと兄はイゾルトからホグワーツ魔法魔術学校の話を聞かされ、ホグワーツに通うことを切望した。兄弟は、どうして入学許可の手紙を待つことができるアイルランドに戻れないのかとたびたび訪ねた。
イゾルトはゴームレイスの話をしてウェブスター達を怖がらせたくなかったので、その代わりに、彼らが11歳になったら、どうにかして彼らのための杖を見つけて、コテージで魔法学校を始めると約束した。
この考えはウェブスターたちの興味を引いた。彼らにとって魔法学校のあるべき姿とはホグワーツであったため、新しく作る学校にも4つの寮があるべきだと主張した。
しかし創立者の名前を寮の名前に用いるという案は即破棄された。ウェブスターはウェブスター・ブートという名前の寮が何かを勝ち取る可能性を感じられなかった。その代わりに、ウェブスターは彼の好きな魔法生物から名前をとり、ワンプス寮を創立した[2]。
小さなホームスクールだったイルヴァーモーニーは、ウェブスターが11歳になったころには評判が広がり、ワンパノアグ族からはさらに2人の魔法少年が、ナラガンセット族からは母親と娘2人が加わった。彼らは自らの魔法の知識をイルヴァーモーニーに共有する代わりに、杖の技術を学びたいと考えていた。ウェブスターは兄と同じ角水蛇を芯材にした杖を受け取った。
1634年には学校はウェブスター達の想像をはるかに超える規模に成長していた。家は年を追うごとに大きくなり、生徒数も増えていった。まだ学校の評判が地元のネイティブアメリカンやヨーロッパからの入植者たち以外には広まっていなかったので、寄宿生もいなかったが、ウェブスターの夢であった寮同士の競争を実現するのに十分な数の子供たちが集まっていた。ウェブスターは新たな家族として、養父母の実子、双子姉妹のマーサとリーニャを迎えていた[2]。
ゴームレイス・ゴーントの復讐[]
ある日、ゴームレイス・ゴーントは彼女の姪のイゾルトがイルヴァーモーニーに住んでいることを知った。ゴームレイスは自分から逃げた姪にその報いをうけさせるためイルヴァーモーニーに現れ、手始めに彼女とジェームズに呪いをかけて深い眠りにつかせた[2]。
しかしゴームレイスは、ウェブスターとチャドウィックもこの家に住んでいることを知らなかった。そのため、彼女がかけた呪文も彼らを眠らせなかった。そして彼女はブート兄弟が角水蛇の角で作られた強力な杖を持っていることも知らなかった。
ゴームレイスは杖を不活性化するパーセルタングの魔法をかけたが、彼らの杖は彼女の魔法によって眠ることはなく、むしろ古代の言葉の音を認識して角水蛇の警戒音のような低い音を発し、主人に危険を警告した。
ウェブスターとチャドウィックはベッドから飛び起きた。チャドウィックは直感的に窓を覗き込み、ゴームレイスが木々の間を縫ってイルヴァーモーニーに向かってくるのを見た。イゾルトは兄弟にゴームレイスのことを話したことはなかったが、チャドウィックは彼女がゴームレイスについて話しているのを何度か聞いたことがあった。チャドウィックはウェブスターに養父母に危険を知らせるよう指示し、自分はゴームレイスを止めに走った。ウェブスターは両親を起こすことができず、チャドウィックと一緒にゴームレイスとの闘いに加わった。
ゴームレイスは彼らを見くびっていたが、兄弟の杖の双子の芯はその力を10倍に増大させていた。しかし、ゴームレイスの強力な闇の魔術は、それに匹敵するほどだった。ゴームレイスは彼らが純血であることを証明できれば慈悲を与えると約束したが、チャドウィックとウェブスターは彼女が家族にたどり着くのを阻止することだけを考えていた。兄弟はイルヴァーモーニーの中に追いやられ、壁はひび割れ、窓は粉々になったが、それでもイゾルトとジェームズは眠り続け、2階に寝ていた赤ん坊の女の子が恐怖で目を覚まし、悲鳴を上げたのだった。

息子たちを助けに来たイゾルト
この悲鳴が、イゾルトとジェームスを覆っていた魔法を突き破った。イゾルトはジェームズに娘たちのところへ行くよう叫び、自身はスリザリンの杖を手に、養子の息子たちを助けに走った。しかし、ゴームレイスのもとにたどり着いたとき、彼女は自分の杖がおばに忠誠を誓っていることに気がついた。ゴームレイスは、イゾルト、チャドウィック、ウェブスターを階段のほうへ退けさせ、曾姪たちの泣き声が聞こえる場所へと向かわせた。ついに彼女は、彼らを寝室まで追い込み、そこで彼らを殺そうとした[2]。
イゾルトが亡き父ウィリアムの名を叫ぶと、代わりにパクワジのウィリアムが窓辺に現れた。ウィリアムはゴームレイスを毒矢で打ち、家族を救った[2]。
後年[]
ウェブスターはその後、今で言うところの雇われ闇祓いになった。特に厄介な闇の魔法使いをロンドンに送還していた時、ウェブスターは魔法省で働いていた若いスコットランド人の魔女と出会い、恋に落ちた。二人はイングランドに共に住むことを決め、ウェブスターの子孫はホグワーツで教育を受けることになった[2]。
性格と特性[]
ウェブスターは議論好きであると描写されたが、とても誠実な人物でもあった[2]。
魔法能力と技術[]
所有物[]
- 杖:ウェブスターは11歳の誕生日に養親からこの杖を贈られた。杖芯は角水蛇で、長さ、杖材は不明であった[2]。杖に同じ角水蛇の芯材を使っているチャドウィックと協力して共通の敵に対して戦うとき、杖は通常の10倍の性能を発揮する。
舞台裏[]
- ウェブスターと彼の兄チャドウィックは、現在判明している魔法学校創立者の中でも最年少に分類され、また創立した学校に生徒として通っていた極まれな魔法使いの一人である。
登場作品[]
脚注・出典[]
- ↑ 1.0 1.1 Writing by J. K. Rowling: "Ilvermorny School of Witchcraft and Wizardry" at 魔法ワールド - "Both boys yearned to attend the school, frequently asking why they could not all return to Ireland where they could wait for their letters."
- ↑ 2.00 2.01 2.02 2.03 2.04 2.05 2.06 2.07 2.08 2.09 2.10 2.11 2.12 2.13 2.14 2.15 2.16 2.17 2.18 2.19 2.20 2.21 2.22 2.23 2.24 2.25 2.26 2.27 2.28 2.29 2.30 2.31 2.32 2.33 2.34 2.35 2.36 Writing by J. K. Rowling: "Ilvermorny School of Witchcraft and Wizardry" at 魔法ワールド
- ↑ 彼の両親はどちらも魔法使いだった。
- ↑ イルヴァーモーニー襲撃時点でチャドウィックは16歳、ウェブスターは14歳だった。
- ↑ 当時、アメリカに魔法族の政府は存在していなかった。