スラグ・クラブ(Slug Club)は、ホラス・スラグホーンが才能や名声ある学生やお気に入りの学生を中心とした集まりである。1996年から2016年まで魔法薬学の教授を務めたスラグホーンはホグワーツ生の中から才能溢れる生徒を探してはその生徒をスラグ・クラブに入れた。
選ばれた生徒はスラグホーンが主宰するパーティーに招待された。人脈ネットワークは卒業後も生きており、クラブのメンバーと連絡を取ることがあった。有益な情報や知識を得られる可能性があるからである。
パーティー[]
ホグワーツ学年度中、ホラス・スラグホーンは多くのパーティーを開催した。夕食会のパーティーでは上質な料理に10名程度の学生が会食した。スラグホーンは生徒同士の意志疎通や情報共有を進めた。
スラグホーンの目的は、優秀な学生をクラブに入れることで彼らの才能を開花させ、名声に近づけるためだった。そして彼らがその才能を発揮した際にはスラグホーンは情報を共有することを望んだ。
選ばれた学生[]
スラグホーンの最初の魔法薬学教授の時期[]
魔法使い | 備考 |
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アドリアン | 1978年クラス、写真家になった。 |
アンブロシウス・フルーム | ハニーデュークスのオーナーであり、スラグホーンにお菓子を贈った。 |
エイブリー1世 | 1940年代のメンバー。トム・リドルの一団の一員でもあり死喰い人となった。 |
バーナバス・カッフ | 日刊予言者新聞の編集者(1996年当時)。 |
B. C. | 登山家。 |
ダリア・F | 不明 |
ダーク・クレスウェル | かつての小鬼連絡室の室長。グリンゴッツ魔法銀行の内部情報を持っており、第二次魔法戦争で殺された。 |
エルドレド・ウォープル | 『血兄弟―吸血鬼たちとの日々』の作者。 |
グウェノグ・ジョーンズ | ホリヘッド・ハーピーズのキャプテン(1996年~1997年当時)。 |
レストレンジ | 1940年代のメンバー。トム・リドルの一団の一員でもあり死喰い人となった。 |
リリー・エバンズ | 優秀な生徒であり、特に魔法薬学の才能があった。第一次魔法戦争で殺された。 |
アブラクサス・マルフォイ (推測) | スラグホーンの古い友人。ドラコ・マルフォイは彼の名を使いスラグ・クラブに参加しようとしたが失敗に終わった。 |
ルシウス・マルフォイ | 裕福で有力なマルフォイ家の一員で、死喰い人でもあった(第二次魔法戦争の終わりまで)。魔法省の尊敬される高官であり、一時期はホグワーツの理事も務めていた。 |
ノット (推測) | セオドール・ノットの父親で、スラグホーンはセオドールに質問した際彼の父親を旧友と呼んだ。 |
レギュラス・ブラック | スリザリンのシーカーであり、後に死喰い人となった(しかしヴォルデモート卿を裏切り、彼の分霊箱の一つであるスリザリンのロケットを破壊しようとし、その企みの中で死亡した)。 |
セブルス・スネイプ | 優秀な生徒であり、特に魔法薬学と呪文の作成において目覚ましい才能があった。死喰い人となったが離脱。ホグワーツ魔法魔術学校においてスラグホーンの後継として魔法薬の先生を務めた。第二次魔法戦争でトム・リドルに殺害される。 |
トム・リドル | 優秀な成績で将来有望な生徒であったが、後に近世においてもっとも強力で恐れられた闇の魔法使いヴォルデモート卿となった。第二次魔法戦争の終わりにハリー・ポッターにより倒された。スラグホーンはトムに分霊箱の詳細を教えており、これが彼の力を増大させる鍵となった。 |
魔法運輸部の大臣 | 1967年クラス、魔法運輸部の大臣になった。 |
ウェンディ・スリンクハード | 作家、ウィルバート・スリンクハードの親類。 |
スラグホーンの2番目の魔法薬学教授の時期[]
魔法使い | 備考 |
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ブレーズ・ザビニ | 彼の母親は美貌の魔女であり、少なくとも7回の結婚をし7回未亡人となった。このため、亡き夫たちからの莫大な富を相続している。 |
コーマック・マクラーゲン | 彼の叔父であるチベリウスはイギリス魔法省と強い結びつきがあった。 |
フローラ・カロー | |
ヘスティア・カロー | |
ジネブラ・ウィーズリー | 1996年、ホグワーツ特急内でコウモリ鼻くその呪いを使用したことでスラグホーンの興味を惹いた。 |
ハリー・ポッター | 「生き残った男の子」「選ばれし者」と呼ばれる。リリー・エバンズの息子であり、闇の魔術に対する防衛術において特に才能があった。 |
ハーマイオニー・グレンジャー | 学年中で最も学業の成績が優秀であった生徒。 |
メリンダ・ボビン | 彼女の一族は大きな薬屋のチェーンを営んでいた。 |
受け入れられなかった生徒[]
以下の生徒達はスラグ・クラブに招かれたものの、スラグホーンの望むものを持たないことがわかり、彼からの関心を失った生徒達である。
- マーカス・ベルビィ - 彼の叔父ダモクレス・ベルビィは脱狼薬を発明したが、父と叔父の関係が良くなかっため、彼は叔父と長い間話をしたことがなかった。それにもかかわらずマーカスは夕食会に招かれたものの、その後のスラグ・クラブのクリスマスパーティーの頃にはトイレでタオルを配るようスラグホーンに指示されるようになっていた。
- ネビル・ロングボトム - 彼の母アリスと父フランクはかつて闇祓いとして知られ愛されていたが、ネビルはその分野において彼らの才能を引き継いでいる様子を全く見せなかった(おそらく彼の薬草学の能力は会話の中に出て来なかったものと推測される)。
- セオドール・ノット - 彼の父親はスラグホーンの旧友ではあったが、死喰い人であることが明らかになった後、セオドールをクラブに招くことをやめたものと思われる。
利点[]
スラグホーンのメリット[]
有名な人物に近づくことが出来るので、そのような人物に自身が大きな影響を与えたり、様々なものが得られた。スラグホーンは自身で名声を手に入れることはせず、他人の名声で自身を着飾った。
学生のメリット[]
スラグ・クラブのメンバーになれば、それだけでも名誉なことであり、スラグホーンとの繋がりがあれば名声を得られると感じた。
失望[]
スラグホーンは才能や潜在能力を見抜く力を持っていたものの、時には生徒に失望させられることもあった。彼は犯罪者と関係を持つことを望んでおらず、ルシウス・マルフォイやノットが死喰い人として現行犯逮捕されると彼らとの関係を経ち、更に彼らの息子たちを自分の集会に招かなかった。
またスラグホーンはセブルス・スネイプのことも信頼できる人物だと考えていたが、彼がアルバス・ダンブルドアを殺害すると大きなショックを受けた。しかしその一年後にはスネイプの無実が証明された。
スラグホーンをもっとも失望させた生徒はトム・リドルであった。彼はスラグホーンの提示した素晴らしい仕事を受けずに店員として働いた上、彼との関係を経ったため、両者の間には何の利益も生まれずスラグホーンは大いに無念に思った。
トム・リドルが闇の魔法使いヴォルデモート卿として再び現れた際、スラグホーンは目に見えて動揺し、とりわけヴォルデモートがスラグホーンの情報を使って複数の分霊箱を造ったことを知った際にはその動揺は激しかった。 トム・リドルという人物を見誤っていたことを非常に恥じたスラグホーンは教授の職を辞し、偽りの安らぎを得るため自身の記憶を修正した。
舞台裏[]
- 『ハリー・ポッターと謎のプリンス』において、クラブには7年生の女生徒が2人いることが言及されているが、この2人は映画版『ハリー・ポッターと謎のプリンス』『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』にしか登場しないフローラ・カローとヘスティア・カローの双子のことである。
- シビル・トレローニーとカメリアはスラグ・クラブのメンバーであった可能性がある。
- 『レゴ ハリー・ポッター 第5章-第7章』ではマーカス・ベルビィがスラグ・クラブへの参加を果たした。
- スラグホーンはジネブラ・ウィーズリーに目をかけていたが、彼女がハリー・ポッターと交際するようになってからはハリーの「王冠の宝石」として更に彼女への関心を強めたものと思われる。