この授業では杖を振ったり馬鹿げた呪文を唱えたりはしない。いいかな?魔法薬調合の微妙な科学と芸術的な技を諸君が理解できるとは期待していない。だが一部の、素質のある選ばれた者には伝授してやろう ― 人の心を操り感覚を惑わせる技を。名声をビンの中に詰め、栄光を醸造し死にすら蓋をする、そういう技を セブルス・スネイプ

セブルス・スネイプ教授1960年1月9日[1]1998年5月2日)は、魔女アイリーン・スネイプ(旧姓プリンス)とマグルトビアス・スネイプとの間に生まれた半純血魔法使いである。彼はホグワーツ魔法魔術学校(1971年~1978年まで生徒として在学)で魔法薬の先生(1981年~1996年)、闇の魔術に対する防衛術教授(1996年~1997年)、校長(1997年~1998年)を担当した。不死鳥の騎士団メンバーでもあり、2度にわたる魔法戦争ではヴォルデモート卿打倒のために重要な役割を果たした。

スネイプはエバンズ家が暮らしていた所に近い、マグル居住区の貧しい地域、スピナーズ・エンドで育てられた。彼は9歳の時ペチュニアリリー・エバンズに出会い、リリーに恋をした。そして2人は友人同士となった。1971年、スネイプはホグワーツ魔法魔術学校に入学しスリザリン組分けされた。愛するリリー・エバンズも同年に入学したが、ライバルグリフィンドールに組み分けされてしまった。スネイプはすぐさまグリフィンドールのジェームズ・ポッターシリウス・ブラックに敵対感情を抱くようになり、2人のいじめの対象にもなった。彼は早い段階で闇の魔術に傾倒し、仕返しへの渇望がそれを加速させた。純血至上主義者の多いスリザリンでもいじめの標的にされ、そのために5年目に決別するまで、マグル生まれのリリーとの友情は続いた。リリーの気を引くため、スネイプはスリザリンの仲間と共に死喰い人に加わった。

スネイプは優れた魔法薬学の知識ゆえかスラグ・クラブにも所属した。ホラス・スラグホーンはスネイプの学生時代の写真と彼の上級魔法薬」を保存していた。にもかかわらず、スラグホーンはスネイプの将来に期待せず、写真も他の生徒のそれに埋もれて保存されていた[2]

ヴォルデモート卿によってリリー・エバンズが殺される直前、スネイプは死喰い人から寝返り不死鳥の騎士団に入り、第二次魔法戦争では二重スパイとして活躍した。多くの困難にもかかわらずスネイプはヴォルデモート卿に本心を悟らせなかった。ハリー・ポッターを含む多くの魔法使いはスネイプを信用しなかったが、アルバス・ダンブルドアは2人が死ぬまで明かされなかった理由で、彼を信頼していた。彼の死後、リリー・エバンズに対する強く深い愛情からヴォルデモート卿を裏切ってダンブルドアの側に着いたことが明らかになった。

スネイプのダンブルドアに対する忠誠は厚く、ダンブルドア自身の望みで彼を殺害した。ダンブルドアが死ぬ前、スネイプは魔法省とホグワーツの実権を握るであろう死喰い人たちから生徒を守ることを約束した。それからホグワーツの戦いに参戦したが、スネイプがニワトコの杖の真の所有者であると勘違いしたヴォルデモート卿の手にかかって死亡した。だが、前の所有者であったダンブルドアを武装解除したドラコ・マルフォイが知らず知らずのうちに次の所有者となり、そのドラコから杖を奪ったハリー・ポッターがこのときの真の所有者だった。

スネイプの死後、ハリー・ポッターは学生時代に憎んでいたにも関わらず彼を英雄として称え、校長室に肖像画を残させた。そしてスネイプにちなんで、次男にアルバス・セブルスという名を付けた。

経歴

生い立ち (1960年~1971年)

リリー・エバンズ:"あなたのパパは、魔法が好きじゃないの?"
スネイプ:"あの人は何にも好きじゃない。あんまり"
— 家族について話すセブルス・スネイプとリリー・エバンズ

セブルス・スネイプは1960年1月9日、純血魔女アイリーン・プリンスマグルトビアス・スネイプとの間に半純血として生まれた。父親と良好な関係を持てなかったセブルスはやがて母親の家系に自らのアイデンティティを見いだすようになり、密かに母親の旧姓を使って「半純血のプリンス」というニックネームで自分を呼んだ。セブルスがマグルを軽蔑するようになったのは父親との険悪な関係が原因であるとも考えられる。少年時代のセブルスには友達もなく、あまり両親の愛情を受けられなかった。こうした生い立ちから、成長したセブルスは他者に対して冷たく残酷な態度を取るようになった。

セブルスはコークワースにあるうらぶれたスピナーズ・エンドという地区で育った。町の近くには汚れた川とボロボロの家、閉鎖された工場と割れた街灯が並んでいた。彼は大人になってからも、学校がないときはいつでもここで過ごした。子供のころのセブルスは汚れた髪に「わざとそうしたかと思えるほど」ちぐはぐの服装をしていた。親からは十分な愛情を受けられず、ホグワーツ魔法魔術学校へ通うのを心待ちにしていた。

リリーは魔女であると教えるスネイプ

リリー・エバンズとその家族はスピナーズ・エンドに近い同じ町に暮らしていた。セブルスはときどき陰からリリーを観察し、彼女に魔術の力があることを確信してすぐに友人となった。スネイプは声をかける前からリリーに特別な感情を抱いていたが、リリーは彼をただの良き友人としてしか見ていなかった。同時にセブルスはリリーの姉ペチュニアを軽蔑するようになった。。ペチュニアがスネイプの服装と家を侮辱したためかあるいは、彼女はマグルであることが理由とも考えられる。

リリーとペチュニアに関するセブルス自身の記憶によれば、少年時代のセブルスは社交性に欠け、良い印象を与えるべき場面においてもきでもうまくできなかったことが窺える。

ホグワーツ在学中 (1971年~1978年)

ジェームズとスネイプは、最初に目を合わせた瞬間からお互いを憎み合っていた セブルス・スネイプとジェームズ・ポッターの関係についてシリウス・ブラック

スリザリン組分けされる直前のスネイプ

セブルスは1971年から1978年までホグワーツ魔法魔術学校に在籍しスリザリン組分けされた。当時魔法薬マスターホラス・スラグホーン寮監を担当していた。1年目の初日、初めてホグワーツに向かう汽車に乗ったセブルスはリリー・エバンズと一緒に席に着いた。汽車が学校に向かう途中、ふたりはジェームズ・ポッターシリウス・ブラックに出会った。このとき、スネイプ、ポッター、ブラックの間でホグワーツで一番の寮はどこかという議論が始まった。スリザリンを希望していたスネイプはポッターとブラックに対して敵意を抱き、それは生涯にわたって続くこととなった。

ホグワーツ在学中のセブルス・スネイプ

シリウスによれば、セブルスは早い段階から闇の魔術に秀でていた。11歳にして彼は7年生より多くの呪いや呪詛を知っていた。彼はエイブリーマルシベールらのちに死喰い人となるスリザリンの一団と友人関係あったとされる。セブルスは「レビコーパス」や「リベラコーパス」、耳塞ぎの呪文といった頻繁に使われる呪文舌を口蓋に貼りつける呪い足の爪が伸びる呪詛、そして「セクタムセンプラ」といった数多くの有用な呪文の開発で知られた。他にシリウスが言及したスネイプの友達にはエバン・ロジエールウィルクスがいた。セブルスはまた、スリザリンに組み分けされたときやさしく挨拶し、1年生の時に監督生だったルシウス・マルフォイとも親しかった。リーマス・ルーピンピーター・ペティグリューも同学年の生徒だった。

ジェームズと彼の友人グループは7年間の学校生活を通してたびたびセブルスともめ事を起こした。セブルスの憂いの篩に収められた記憶では、彼は内向的で勉強熱心な学生であり、その一方、ジェームズは問題児で人気があり肉体派だった。ジェームズは初対面の時、セブルスがスリザリンに入ることを希望したため即座に敵意を抱いた。ジェームズのリリーへの想いとセブルスの彼女への親しさと報われぬ恋もふたりのいがみ合いに一役買った。

マローダーズのいじめを受けるスネイプ

憂いの篩に収められたある記憶では、ジェームズがセブルスを宙吊りにしてリリーたち大勢の生徒の目の前で下着を晒すといういじめの場面が記録されていた。リリーはセブルスを庇いにやってくるが状況は悪化しただけだった。威厳を取り戻そうとしジェームズを攻撃して失敗した後、セブルスは思わずリリーを穢れた血と呼んでしまったのだった。リリーは度重なる謝罪にも関わらずこれを許すことはなかった。これはスネイプにとって最悪の記憶だった。

セブルスは満月になるとリーマスが消えることに気づき、一度疑いを確かめるため暴れ柳をくぐって彼をつけた(暴れ柳の通り方はシリウス・ブラックに教わった)。このときジェームズの助けがなければセブルスは命を落としたかあるいは人間でいるということを覆されかねない(狼に変身したリーマスに噛まれる可能性があった)ところだった。ジェームズは事情を知るとセブルスの後を追ってリーマスが狼の姿に変身している叫びの屋敷につく前に彼を止めたのであった。アルバス・ダンブルドアはセブルスに秘密にしたが彼にはリーマスの正体は明らかだった。7年生の時、ジェームズは成長して横暴さはなりを潜めセブルスへの憎しみは相変わらずだったが、リリーも彼とのデートを拒まなくなった。シリウスによればセブルスは常にジェームズにとって「特別な相手」だった。リリーはやがてジェームズと結婚し、セブルスの彼に対する恨みはさらに深まることになる。

半純血のプリンス

半純血のプリンス蔵書 スネイプの『上級魔法薬』に書き込まれた署名

セブルスは少年時代から優れた魔法使いだった。それは魔法薬の教科書に顕著で、ここに書かれた書き込みにはスネイプが教科書の内容を学ぶのと同時に、授業の間に発明した呪い呪文、新たな魔法薬について載っていた。

半純血のプリンスによる無数の注釈と訂正

セブルスの魔法薬の教科書には彼が発明に関わった呪いや呪文が記録されていた。相手の足首を固定して逆さに宙吊りにする「レビコーパス」や相手の体を切り裂いて大量の出血を催す「セクタムセンプラ」(剣のように使用者の動きに合わせて切り裂く)などである。「レビコーパス」はなぜかセブルスのもとを離れ5年目の終わり頃にかけてホグワーツで広く使われるようになった。その他には相手の耳を不明瞭な雑音で塞ぐ「マフリアート」や足の爪を急速に伸ばす呪詛などがあった。セブルスの教科書は1996年にハリー・ポッターの手に渡った。ハリーは半純血のプリンスのヒントを活用しその年の魔法薬の先生スラグホーン教授の賞賛を得た。ハリーは半純血のプリンスの正体がセブルスであるとは知らず、彼をセブルスよりずっと良い教師であると考えていたが、のちに真実を知って大いに落胆した。

スネイプの上級魔法薬に書き込まれた署名

魔法薬の教科書には「半純血のプリンス蔵書」と書き込みされていた。ハーマイオニー・グレンジャーの調査によればプリンスとは彼の母親の旧姓であり、これは母の旧姓と自分の血統を合わせたニックネームだった。ハリーはスネイプのニックネームとトム・リドルが自分につけた名前の仰々しさの類似点について指摘した。このニックネームは秘密であり、リーマスにはセブルスがこの名前を公に使った記憶はなかった。

第一次魔法戦争 (1978年~1981年)

死喰い人として

セブルス・スネイプ: "それでは全員を隠してください。あの女を――全員を――安全に。お願いです"
アルバス・ダンブルドア: "その代わりに、わしには何をくれるのじゃ、セブルス?"
セブルス・スネイプ: "か――代わりに?何なりと"
―アルバス・ダンブルドアにリリー・ポッターを保護するよう懇願するセブルス・スネイプ[出典]

ヴォルデモートに仕えていた頃のセブルス・スネイプ

セブルス・スネイプはやがてヴォルデモート卿率いる死喰い人の一団に加わった。、ヴォルデモートの敗北に関する予言を盗聴して彼に伝えたのがスネイプであった。1980年初旬、スネイプはホッグズ・ヘッドにおいて、アルバス・ダンブルドアが行ったシビル・トレローニーへのホグワーツ占い学教授の面接を盗み聞きしたのであった。面接中、トレローニーはヴォルデモートを打ち倒す者が7月の終わりに生まれると予言した。ダンブルドアは彼女を死喰い人から守るために雇うことを決めた。この時点で予言が誰を指していたのかは明確ではなかった。7月の終わりに生まれた、予言に当てはまる子どもはふたり存在した。それはハリー・ポッターネビル・ロングボトムであった。

ウィゼンガモットが開いたイゴール・カルカロフの裁判において、ダンブルドアはセブルスが彼の元を訪れ予言を盗み聞きし、ヴォルデモートに報告したと告白したことを証言した。しかしバーテンダーに途中で追い出されたため、予言の最後まで聞くことはできなかった。

スパイとして

アルバス・ダンブルドア: "闇の帝王は戻ってくる。そのときあの子は危険に陥る。リリーの目を持った子じゃ。もしお前の愛が誠なら"
セブルス・スネイプ: "誰にも、明かさないでください"
アルバス・ダンブルドア: "君のもっとも良いところを明かすなと?"
―ハリー・ポッターを守ることについて、ダンブルドアとスネイプ[出典]

リリーの死を悲しむスネイプ

ヴォルデモートが、予言の子どもはハリー・ポッターであると考えたため、スネイプの行動により愛し続けてきたハリーの母親リリー・エバンズが大きな危険にさらされてしまった。激しい後悔を感じたセブルスはリリーの夫ジェームズ・ポッターと息子の命と引き替えに彼女だけは見逃すように懇願した。人を殺すことにまったくためらいを感じないヴォルデモートを信用できなかったスネイプは、アルバス・ダンブルドアにも接触し、リリーを救うように頼み込んだ。スネイプはリリーと彼女の夫と息子(ダンブルドアに窘められて)を隠すように依頼した。ダンブルドアは同意したが同時に見返りを要求した。スネイプはすべてを捧げると答えた。こうしてスネイプはこれ以降、死喰い人の振りをするスパイとなったのであった。ヴォルデモートはリリーを先に殺害したため、彼女の犠牲によってハリーが守られ、死の呪いが逆流して肉体を失うことになった。

リリーへの変わらぬにより、スネイプの守護霊牝鹿に変化した

ダンブルドアはポッター家を守るために細心の注意を払っていたが、ヴォルデモートはジェームズの親友でスパイのピーター・ペティグリューから情報を聞き出して彼らの居場所を突き止めていた。リリーの死によって悲嘆に暮れたスネイプは自らの死すら望むようになったが、ダンブルドアはリリーが唯一遺した息子を守るようにと諭した。スネイプは闇の帝王が消えたことで危険は去ったと主張したが、ダンブルドアはいずれ彼が復活すると確信しており、そのときにはリリーの息子が命の危険にさらされると主張した。スネイプは愛するリリーの息子であり、学生時代誰よりも憎んでいたジェームズによく似た外見のハリー・ポッターを守るために残りの人生を費やすことになった。かつて死喰い人であったことからダンブルドアの味方から忌み嫌われ、寝返ったことで死喰い人たちからも恨まれながら、スネイプはダンブルドアの計画を遂行するために10年間待ち続けた。

休戦中 (1981年~1995年)

私は完璧を期待すると知っておきなさい。それから私の期待を満たせない失敗には厳しい結果が待っていることも知っておきなさい。では、授業を始めよう ホグワーツで魔法薬学を教えるスネイプ

魔法薬の先生、セブルス・スネイプ

1981年ホグワーツ魔法魔術学校で教え始めたスネイプは当初、闇の魔術に対する防衛術を教えることを希望した。しかしこれは複数回にわたって却下された。スネイプがこの得意分野を教えることで昔のように死喰い人に戻るのをダンブルドアが恐れているという噂が生徒に広がった。だが実際には、ヴォルデモートによって闇の魔術に対する防衛術教授の職にジンクスがかけられていることにダンブルドアが気づいていたためだった。

闇の魔術に対する防衛術教授を1年以上続けられる者はいないと知っていたダンブルドアは、ベテラン魔法薬マスターホラス・スラグホーンの引退に伴って、スネイプを魔法薬の先生およびスリザリン寮監として雇用した。当時21歳であったスネイプが寮監に選ばれるのは珍しいことであると考えられる。ホグワーツの中にスリザリン寮出身の別の教師がいなかったためかあるいは闇の魔法使いを多く排出すると言われるこの寮の生徒たちを注意深く見張るためであった可能性がある。

1991年~1992年

新入生の中にハリー・ポッターの姿を見つけるスネイプ

1991年、有名な錬金術師ニコラス・フラメルが、長寿の秘密である賢者の石グリンゴッツからより安全なホグワーツ魔法魔術学校に移動させた。スネイプは魔法薬の問題を障害物のひとつとして設定することで、賢者の石の防御に一役買った。魔法ではなく頭脳を要求する唯一の障害物でもあった。この年、ハリー・ポッターが入学したが、スネイプとポッターは即座にお互いを憎み合うようになった。魔法薬学の最初の授業から、スネイプは父親似ですでに有名人であるハリーを冷遇した。スネイプはハリーを守るとダンブルドアに誓っていたが、スリザリンへのひいきをやめるつもりはなく、またハリーを特別扱いするつもりもなかった。

ダンブルドアとの約束の一環として、ヴォルデモート卿のために賢者の石を狙う闇の魔術に対する防衛術教授クィリナス・クィレルを、スネイプはできる限り妨害し続けた。ヴォルデモートがクィレルの体に寄生していたことを知っていたかは不明であるが、クィレルがヴォルデモートのために動いていることは見破っていた。ターバンで後頭部の顔を隠していたクィレルは、10月31日までにおとりとしてマウンテン・トロールホグワーツ城に侵入させた。この混乱に乗じて石が隠されている四階の廊下にクィレルが忍び込むことを防ぐため、スネイプは妨害を試みたが廊下を護衛している三頭犬フラッフィーに足を噛まれてしまう。

クィディッチの試合でハリーの命を救うスネイプ

ハリーのクィディッチデビュー試合において、箒にジンクスをかけてクィレルが初めてハリーの命を狙ったとき、スネイプは少年が箒から振り落とされないように反対呪文を唱えてまたも妨害した。双眼鏡で状況を観察していたハーマイオニー・グレンジャーは反対呪文を一心に唱えるスネイプの姿に気づき、不運にもハリーにジンクスをかけているのはスネイプだと誤解した。ハーマイオニーはスネイプに忍び寄りジンクスを妨害するために火を起こす呪文を唱えてスネイプのローブに火を放った。ハーマイオニーは急いでグリフィンドールの席に戻る途中にクィレルに偶然ぶつかった。呪文をかけ続けるために必要な目線がハリーからそれたため、クィレルの魔法は解かれることとなった。次の試合においては、同じことが起きないようスネイプは審判の役をすると主張して譲らなかった。スネイプがグリフィンドールのクィディッチ・チームを負けさせようとしていると考えた他の教員たちはこれを快く思わなかった。

クィレルを追求するスネイプ

試合後の夜、スネイプは禁じられた森でクィレルと対峙した。彼はなぜ賢者の石を狙うのかとクィレルに訊ねた。ふたりとも気づいていなかったが、このときの口論をハリーは木陰から見ていた。しかしハリーはスネイプが石を狙っていると誤解していたため、スネイプがクィレルを脅し停止を奪おうとしているのだと考えた。ハリー、ロン・ウィーズリー、ハーマイオニーはクィレルの見方となり、生徒が彼のどもりを笑ったときにはやめるように注意し、通りかかったときやスネイプと口論しているときには微笑みかけるようになった。

このときの学期終わりの宴会にスネイプも出席した。スネイプは最初、スリザリン寮杯を獲得したことを喜んだが、ダンブルドアがハリー、ロン、ハーマイオニー、ネビル・ロングボトムに追加で点数を入れてグリフィンドールを勝たせると、引きつった笑みを浮かべてミネルバ・マクゴナガルと握手した。

1992~19993年

空飛ぶフォード・アングリアをマグルに見られた件でスネイプのオフィスに呼ばれるハリー・ポッターとロン・ウィーズリー

1992年の学期始めに「夕刊予言者新聞」を読んで、スネイプはハリーとロンがホグワーツ特急ではなく空飛ぶフォード・アングリアに乗ってホグワーツに来たことを知った。この行為の重大さにより退学処分になりうる(退学になればハリーがダンブルドアの保護から離れ危険にさらされる)ことを知っていたスネイプは彼らが到着したときに自ら対処に当たった。スネイプはもっとも神聖な魔法界法律を破ったことに対して激しくふたりを叱責し、退学させようとするふりをしてダンブルドアとミネルバ・マクゴナガルにこの件を委ねるべく、ふたりを呼んだ。スネイプの思惑通り、ダンブルドアはハリーとロンを退学にはせず、代わりにマクゴナガルが警告と罰則を与えることでこの件は落ち着いた。

リリーの記憶を慈しみたいという気持ちとは裏腹にスネイプはこの罰則を寛大すぎると考え、グリフィンドールのクィディッチ・チームの練習時間にスリザリンのクィディッチ・チームホグワーツのクィディッチ・ピッチを使用する許可を与えることで報復した。これはドラコ・マルフォイをチームのシーカーに育てるために必要なことであった。同年の後半、ハリー、ロン、ハーマイオニーはスネイプの貯蔵庫からポリジュース薬の材料を盗み出した。3人はスネイプの授業中に花火とふくれ薬を使って気をそらしその間に材料を盗んだ。スネイプのハリーを見る目から、スネイプがハリーを授業の妨害をしたと疑っていることは明らかであった。ハリーはスネイプに心を読まれたと感じており、スネイプが開心術を使用した可能性がある。しかしハリーがこれ以上校則を破った際に与えられる罰則は退学処分以外にないと言うことをダンブルドアがはっきりと申し渡したため、スネイプはこれ以上怒りを爆発させるわけにも行かず、リリーの息子を守るという意思を続けるしかなかった。

決闘クラブで杖を構えるスネイプ

この年、スネイプは新たな闇の魔術に対する防衛術担当教授ギルデロイ・ロックハートと一緒に決闘クラブ運営の仕事をした。この時期スネイプは、彼が最も希望する科目を担当するロックハートに対して激しい苛立ちと怒りを見せるようになっていた。スネイプは決闘クラブのデモンストレーションの際に武装解除呪文でロックハートを壁まで吹き飛ばして楽しんだ。これにはロックハートも恐れをなし、スネイプをこれ以上怒らせることはしなくなった。スネイプはハリーとドラコを決闘させたが、ハリーがくすぐり呪文を使い、ドラコが踊りの呪文を使ったときには止めに入った。スネイプはヘビを出すのに必要な指示を与えてハリーがひとりで怒った巨大なヘビと戦わなければならない状況を楽しんだが、彼がパーセルタングの能力を見せると急いでヘビを消滅させて事態を収拾した。スネイプは友人たちがハリーを大広間から連れ出すのを許可したが、出て行く彼の姿を凝視していた。

バレンタインデーの際には、ロックハートがパーティを開いてスネイプをさらに苛立たせることとなった。スネイプは骨生え薬を無理矢理飲まされたような表情で、ロックハートがスネイプに愛の妙薬を調合させてはどうかと生徒に提案した際には怒りを隠そうともしなかった。彼に調薬を頼むような生徒には強制給餌しかねないような明らかな警告の表情を見せた。スネイプのロックハートに対する怒りは頂点を迎え、ジニー・ウィーズリー秘密の部屋に消えた際には教授たちを率いてロックハートを追い払い生徒たちが安全に避難できるようにした。スネイプは怪物を見つけたというロックハートの言葉に耳も貸さなかった。スネイプはこの年に学校を恐怖に陥れたスリザリンの蛇によって石化させられた生徒たちを元に戻すためにマンドレイク回復薬を調合した。

魔法薬学のクラスでポリジュース薬について話し(ハーマイオニーが記憶した)、決闘クラブで武装解除呪文を実演してみせることで、スネイプはのちにハリーの命を救うことになる重要なスキルを教えたことになる。

1993年~1994年

この学年度、スネイプは新たな闇の魔術に対する防衛術教授リーマス・ルーピンのために複雑な脱狼薬を調合することでその腕前を証明した。この一年中、スネイプはルーピンがアズカバン脱獄囚シリウス・ブラックホグワーツ城に入れる手伝いをしているのではないかと疑い続けた。この疑いはルーピンが学生時代にシリウス・ブラックやハリーの父親ジェームズ・ポッターと親しかったことから生じたものであった。シリウスは学生時代に、暴れ柳を通ればルーピンが毎月どこに姿を隠しているかがわかるというジョークを仕掛けたことがあった。ジェームズはこのジョークに引っかかったスネイプを連れ戻すことで彼の命を助けたのであった。

叫びの屋敷でブラックやルーピンと対峙するスネイプ

学年度末、スネイプは再び学校に現れたブラックを待ち伏せし、彼がリリーをヴォルデモートに売った裏切り者だと信じて逮捕を試みた。スネイプはハリーが暴れ柳の近くに落とした透明マントを被って近づき、叫びの屋敷でルーピンを縛り上げた。ハリーやハーマイオニーと大声で口論を交わしたのち、スネイプはルーピンとブラックをアズカバンへ送ろうと試みた。しかしスネイプがふたりを吸魂鬼に引き渡す前にハリー、ロン、ハーマイオニーの3人が同時にスネイプに向かって武装解除呪文を浴びせたため失敗に終わった。学校の最終日に、スネイプはルーピンが狼人間であることを明かし彼を辞職に追いやった。

1994年~1995年

ハリーが4人目の代表選手に選ばれた後の教授たち

ハリーの名前がなぜか炎のゴブレットから現れたとき、スネイプは逆上した。怪しい状況とハリーが直面する大きな危険にもかかわらず、スネイプはハリーが自分で三大魔法学校対抗試合に立候補したと信じて疑わなかった。実際、スネイプはそれまで以上にハリーに敵意を見せ、対抗試合の水中戦に合格するために彼が自分のオフィスから鰓昆布を盗んだのではないかと疑った。

ハリーはこの年、スネイプがかつて死喰い人であったことを知ったが、ダンブルドアはスネイプの忠誠を保証していた。スネイプはヴォルデモートの部下であったが寝返って信用できるスパイとなったことを、ダンブルドアはウィゼンガモットで証言していた。ダンブルドアは、理由は言わなかったが、スネイプの忠誠心は信頼できるものであるとハリーに請け合った。

ハリーはスネイプの改心を信じない者たちと同意見であった。年の初めにアラスター・ムーディ教授が、ダンブルドアがスネイプに注意するように命じたとして「闇祓いの特権」を行使すると主張してスネイプのオフィスを捜索した。スネイプは不満であったがどうすることもできなかった。

闇の印をスネイプに見せるカルカロフ

ハリーを対抗試合に加えた黒幕はまだ判明していなかったが、スネイプは腕に残るヴォルデモート卿の印が次第に強くなっていることに気づいていた。ダームストラング専門学校校長イゴール・カルカロフはヴォルデモートからの報復を恐れパニックになってスネイプに打ち明けた。カルカロフは何度もスネイプに相談を試みたが、スネイプは同乗も見せず助けもしなかった。闇の帝王の復活を恐れたカルカロフは逃亡したが、ダンブルドアの情報を流すことで信頼を得られるスネイプは報復を恐れる必要はなかった。スネイプとダンブルドアはヴォルデモートの復活について話し合っており、この年に彼が復活することを予期していた。

バーティ・クラウチ・ジュニアの尋問

第三の課題ヴォルデモート卿の復活ののち、ポリジュース薬でムーディに変身したバーティ・クラウチ・ジュニアがハリーをムーディのオフィスに連れて行った。クラウチは何が起きたのかをハリーに問い質したがまもなくダンブルドア、マクゴナガル、スネイプに妨害されハリーは救われた。やがて興奮のあまりポリジュース薬を飲むことを忘れていたクラウチの変身が暴かれ、元の姿に戻った。スネイプが飲ませた真実薬により、クラウチはヴォルデモート復活の計画とハリーをリトル・ハングルトン墓地に誘い出す自身の任務を打ち明けた。スネイプはダンブルドアとともにヴォルデモート復活を信じようとしないコーネリウス・ファッジ魔法大臣の説得を試みた。スネイプはようやくシリウスの無実を打ち明けられ、ダンブルドアにシリウスと握手するように命じられた。その後スネイプはダンブルドアの指示で、再び闇の帝王に対する二重スパイとして死喰い人に加わることとなった。

第二次魔法戦争

1995~1996年

1995年~1996学年度、ヴォルデモートが肉体を取り戻したことに伴ってスネイプは再びダンブルドアのために二重スパイとして働いた。夏休み中、スネイプはグリモールド・プレイス12番地に出入りし不死鳥の騎士団に報告を行った。逃亡中の身分で騎士団の任務に参加できないシリウスを、スネイプは頻繁に嘲笑した。

ハリーの最初の閉心術レッスン

不死鳥の騎士団のために働いていたが、学校が始まってもスネイプは相変わらずハリーを冷遇し続けた。ハリーがヴォルデモートのヴィジョンを見るようになると、ダンブルドアは精神のつながりを閉じるためにハリーに閉心術を教えるようスネイプに依頼した。しかし互いに憎み合っているスネイプとハリーとでは、中々練習が上手く進まなかった。ヴォルデモートがハリーの心を読んでスネイプが閉心術を教えていることが判明すればすべてが危険にさらされるため、スネイプは特に注意しなければならなかった。スネイプが不在のあるとき、ハリーはスネイプの憂いの篩を覗き、学生時代のスネイプがハリーの父親にひどいいじめを受けている記憶を目撃した。これに気づいたスネイプはハリーの腕をつかんでオフィスから放り出し、再び来ることを禁じた。学期が終わるまで、スネイプはできる限り怒りをぶつけできる限り無視し続けた。

スネイプに"パッドフット"の危機を伝えるハリー

学年度の終わり近く、ドローレス・アンブリッジがハリーを捕まえ、ダンブルドアの居所について尋問した。アンブリッジはハリーに情報を吐かせるためにスネイプに真実薬を要求した。ハリーから情報を得ようとアンブリッジが密かに使用した分で真実薬はなくなったとスネイプは主張し、それ以上の協力はしなかった。

それ以前に要求された際には、スネイプがアンブリッジに偽の真実薬を渡していたことが後になって判明した。ハリーがアンブリッジに伝わらないようにシリウスの危機を伝えると、スネイプはすぐに他の騎士団メンバーに伝言を伝えた。スネイプは神秘部での救出計画作成を手伝い、禁じられた森でハリーを探した。スネイプは何度もハリーを助けてきたが、スネイプの嘲笑がシリウスを戦いに向かわせ結果的にに至らしめたとと考えたハリーは以前にも増してスネイプを憎むようになっていた。

1996~1997年

スネイプによりダンブルドアにかけられた呪いの進行は抑えられた

1996年7月、ハリーのホグワーツ6年目が始まる前の夏休みにダンブルドアはマールヴォロ・ゴーントの指輪(ヴォルデモートの分霊箱のひとつ)にかけられた呪いに蝕まれてしまった。スネイプは闇の魔術に精通していたが、彼の技量を持ってしても呪いの進行を遅くすることしかできず、一年以内にダンブルドアの命が奪われることは確実であった。ヴォルデモートが自分を殺すようにドラコに命じたことに気づいていたダンブルドアは、スネイプにその代わりを務めるように依頼した。これはドラコのを救うためであり、また、呪いによる苦痛に満ちた死よりも一瞬の死を選んだということでもあった。スネイプは自身の魂がどうなるかも引き合いに出して反対したが、こういった合意があれば殺人のように魂を傷つけはしないだろうとダンブルドアは説明した。さらに、スネイプがダンブルドアを殺せばヴォルデモートの完全な信頼を得ることができ、ヴォルデモートの計画をもっとよく知ることができるという考えもあった。スネイプは最終的に校長の依頼を引き受けた。

破れぬ誓いを結ぶスネイプとナルシッサ・マルフォイ

それからまもなく、スネイプはスピナーズ・エンドの自宅でベラトリックス・レストレンジナルシッサ・マルフォイの訪問を受けた。ナルシッサの息子ドラコはヴォルデモート卿から困難な任務を与えられていた。ナルシッサはドラコを守り、任務の達成を助け、ドラコが失敗した際には変わり任務を果たすよう破れぬ誓いをスネイプに結ばせた。ベラトリックスが忠誠心に疑問を抱くと、スネイプはヴォルデモートの復活以来彼に仕えてダンブルドアをスパイしてきたと説明した。ダンブルドアの保護によりアズカバン行きを免れ自由に行動できることも指摘した。

学期は始めの宴会において、ダンブルドアがついにスネイプを闇の魔術に対する防衛術担当に任命したことを発表すると、ハリーはショックを受け失望した。スネイプは魔法薬学と同じくらい防衛術も厳しく教えたが、O.W.L.で「大いによろしい」以下だった生徒たちをN.E.W.T.クラスに入れることを許可した。長年望んできた科目の担当になったスネイプは情熱をもって生徒たちを教えた。ハーマイオニーが問題に答えるのを許すなど、以前より偏見も弱くなっていた。5年目をもう一度履修しているビンセント・クラッブグレゴリー・ゴイルの進捗状況に不満を抱いたスネイプはふたりに罰則を言い渡した。

舞台裏

オオカミ状態のルーピンからトリオを守るスネイプ。小説には存在しないシーン

  • ギルデロイ・ロックハートと同じく、映画版のスネイプは原作よりも好ましい性格で描写されている。映画版では生徒を大っぴらに侮辱したり嫌がらせしたりすることはほとんどない(ハリーとロンを集中させるために頭をつかんだ場面とアンブリッジに侮辱された彼を見て笑ったロンを叩いたときのみ)。小説シリーズよりもハリーに対して親切であり、初めてのクィディッチでは幸運を祈ると発言した上、かすかな微笑みさえも浮かべてトロールを倒したことを皮肉を交えて褒めている。映画版『アズカバンの囚人』では、オオカミ状態と化したルーピンから盾になってトリオを守ろうとする小説にはないシーンが付け加えられた。『死の秘宝 PART2』の回想シーンにおいては、ダンブルドアにリリーだけではなくポッター家全員をヴォルデモートから保護するように懇願している(小説ではまずリリーを守るように頼み、ダンブルドアに窘められて一家を守るようにと言い換えた)。
  • 日本語版では主に「我輩」という一人称が用いられている。

登場作品

脚注

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