"チョウは当然、とっても悲しんでる。セドリックが死んだんだもの。でも、混乱してると思うわね。だって、チョウはセドリックが好きだったけど、いまはハリーが好きなのよ。それで、どっちが本当に好きなのかわからないんだわ" —チョウ・チャンについてハーマイオニー・グレンジャー [出典]
チョウ・チャン(1979年~)は1990年から1997年までホグワーツ魔法魔術学校に在籍していた魔女であり、レイブンクロー寮に所属していた。彼女はレイブンクローのクィディッチ・チームでシーカーを務める人気者だった。5年生のとき、チョウは三大魔法学校対抗試合に出場していたセドリック・ディゴリーと付き合い始めるが、彼は第二次魔法戦争の最初の犠牲者になった。セドリックはヴォルデモート卿の命令を受けたピーター・ペティグリューによって、1995年6月に殺されたのである。セドリックの死はチョウを悲しませ、復活した闇の帝王との戦いに参加する動機ともなった。
6年生の時、チョウは両親の反対を押し切ってハリー・ポッターが教え率いるダンブルドア軍団に参加、ハリーと恋に落ちる。しかしチョウの親友マリエッタ・エッジコムが軍団を裏切ったことがきっかけとなり、2人の関係は壊れてしまった。それでも学校とダンブルドア軍団への思いは変わらず、卒業後にホグワーツの戦いに参加した。
経歴[]
生い立ち[]
チョウは魔法使いの一家に生まれた。彼女は6歳の時にクィディッチに熱中し、タッツヒル・トルネードーズのファンになった。
ホグワーツ在学時代(1990年-1997年)[]
チョウは1990年にホグワーツ魔法魔術学校に入学し、レイブンクローに組分けされた。入学後すぐにレイブンクロー・クィディッチ・チームに入団し、シーカーに選抜された。この時に後の親友となるマリエッタ・エッジコムと知り合った。
4年目[]
グリフィンドール対レイブンクローの試合でチョウは初めてハリー・ポッターと出会った。ハリーは彼女の姿に一目惚れし、初めて異性に恋心を持った。
レイブンクローとの試合中、チョウは金のスニッチではなくハリーを追いかけた。ハリーはすぐにチョウの思惑に気付き、あたかもスニッチを見つけたかにみせて彼女を騙そうとした。その後、本物のスニッチを見たハリーは急降下したが、そこにディメンターの群れをがいた。チョウは吸魂鬼の群れを見て体がすくんだ。ハリーは強力な守護霊の呪文を放ち、撃退することに成功しスニッチを獲得したが、この吸魂鬼は実際は変装したドラコたちだった。結局、レイブンクローは試合に勝つことが出来なかった。
5年目[]
チョウは1994年に開かれたクィディッチ・ワールドカップを家族と共に観戦した。彼女が5年生になった1994年はホグワーツで三大魔法学校対抗試合が開かれた。彼女はこの時までにハリー・ポッターと挨拶を交わした。ハリーは前年度のクィディッチの一件からチョウに恋心を抱いていた。チョウは年間を通してハリーと友好的だったものの、彼の好意に答えることはしなかった。彼女は1歳年上の対抗試合のホグワーツ代表のハッフルパフ生セドリック・ディゴリーと交際しており、ダンス・パーティーにも彼を誘った。
しかし、対抗試合で炎のゴブレットはハリーというもう一人の代表を選んでいた。多くのホグワーツ生はハリーが不正をしたと思い込んでおり、ドラコ・マルフォイが作成した嫌がらせのバッジをローブに着けていた。しかし、チョウはこのバッジを着けることを拒否した。彼女はハリーに感謝の念を抱いていたからである。彼女は第2の課題でセドリックの「人質」となった。セドリックはチョウを救うために泡頭呪文を使用した。
しかし、セドリックは第3の課題でピーター・ペティグリューによって殺害された。最愛のボーイフレンドを失ったチョウは追悼式で声を荒げ、涙を流した。
6年目[]
セドリックの事件の後、魔法省と日刊予言者新聞は彼の死は不慮の事故であり、ヴォルデモート卿は復活していないと大々的に宣伝した。しかし、チョウはヴォルデモート卿が復活したというハリーの考えを信じた。彼女がこの立場を取ったのはセドリックの本当の死の真相を知りたいという願い、そしてハリーへの愛の感情の高まりが理由だった。
ハーマイオニー・グレンジャーからダンブルドア軍団へ招待された際、魔法省に務めている母は自身の立場への介入からドローレス・アンブリッジに反抗してほしくないことから、ダンブルドア軍団への加入に反対した。しかし、チョウはこれを断り、死喰い人と戦うためダンブルドア軍団に入った。
決心がついたと思われたチョウだが、DAメンバーの中では気持ちの浮き沈みが激しかった。最初、チョウは極度の緊張から呪文を上手く出すことができなかった。特にハリーが近くにいる際はそれが顕著だった。これはハリーに対しての恋愛感情が前年度に比べて高くなっていたことを示していた。後に彼女は守護霊の呪文を習得し、白鳥のパトローナスを出すことに成功した。しかし、武装解除呪文には難点があった。
チョウはDAの訓練が終わったクリスマス直前にヤドリギの下でハリーとキスを交わした。このキスはハリーにとってのファーストキスだった。しかし、彼女はハリーとセドリック双方に対する言葉にはできない感情から涙を流した。彼女はバレンタインの日にハリーとホグズミード村でデートをし、マダム・パディフットの喫茶店で彼との時間を過ごした。だが、ハリーはアンブリッジを想起させる店のピンク色の雰囲気に気分を落としてしまった。
チョウはセドリックの死に対する悲しみとハリーがハーマイオニー・グレンジャーと仲良くしていることについての根拠のない嫉妬、ハリーの女性経験の少なさからくる不器用さに苦しめられた。ハリーがハーマイオニーと会おうするとチョウは激しく嫉妬し、 ロジャー・デイビースがチョウと会おうとしているとの情報を流し、ハリーを揺さぶろうとしたがかえってハリーを当惑させるだけだった。
この年の後半、チョウの友人であるマリエッタ・エッジコムはダンブルドア軍団を裏切り、アンブリッジに軍団の情報を流してしまった。その結果、ハーマイオニーが掛けたジンクスによって彼女の顔には「裏切り者」の文字が浮かび上がった。チョウはマリエッタの置かれた状況を理解し、彼女を擁護した。このことでハリーとの間に決定的な亀裂が生じ、2人の恋愛関係は終止符を迎えることとなった。
7年目[]
7年生になり、チョウはホグワーツ特急でハリーと出会うが、話しかけようとはしなかった。
7年生の間、ハリーとチョウの交流はほとんどなかった。ハリーによれば2人は「バラバラ」になり、恥ずかしさのあまり顔を合わすことも出来なかった。アルバス・ダンブルドアが亡くなった後、チョウは中庭にいた。彼女は杖を光らせ偉大な魔法使いの死を弔った。
ホグワーツの戦いとその後 (1997年-)[]
チョウはホグワーツの戦いで再びダンブルドア軍団に入り、忠誠心を示した。彼女はヴォルデモート卿との最後の戦いに参加した。この時のハリーとの様子は以前とは異なり、信頼的であった。彼女はレイブンクローの髪飾りの情報を聞き出すために、ハリーと一緒にレイブンクローの談話室に行こうとしたが、関係が修復されることを恐れたジニー・ウィーズリーによって代わりにルーナ・ラブグッドがハリーと同行することになった。
チョウはハリーとヴォルデモートの最後の決闘を目撃した。戦後、彼女は友人と再会し、ケイティ・ベルと一緒にいた。
結婚[]
戦後、チョウはマグルの男性と結婚した。彼女は2014年のDAの同窓会に出席した可能性が高い。
特徴と性格[]
チョウ・チャンは概して礼儀正しく、聡明で甘えん坊であり、ホグワーツで人気の学生だった。彼女の風貌は多くの男子生徒(ハリー・ポッターを含む)を魅了した。
レイブンクローに組分けされたチョウはハリーがダンブルドア軍団で防衛呪文を教える前からある程度の知識を持っていたと思われる。また、彼女は熱狂的なクィディッチのファンでもあり、優れたアスリートでレイブンクローのシーカーを務めた。また、彼女は時流に反してダンブルドア軍団に加わっており、このことからも勇敢な人物であることが伺える。ハリーへの支持と亡きボーイフレンドセドリック・ディゴリーの無念を晴らすべく彼女はホグワーツの戦いに参戦し、仲間と共にホグワーツを守った。
チョウが学生時代、ボーイフレンドと一緒に行動することが多かったがセドリックの死後、彼女は失ったショックから精神が不安定になり、うつ病気味になったが、それでも仲間思いの性格は変わらなかった。彼女は友人マリエッタ・エッジコムをダンブルドア軍団に誘い、共に訓練を受けた。マリエッタは最終的にドローレス・アンブリッジに情報を売ってしまうが、チョウはマリエッタの置かれた立場を理解し、ハリーの非難に真っ向から反論した。チョウの友達への忠誠心と勇敢さはホグワーツの戦いで発揮され、仲間と共にホグワーツを守った。
人間関係[]
ロジャー・デイビース[]
チョウはある時点でロジャー・デイビースと友達になり、交際関係にまで発展した。しかし、これは長く続かず、彼女が新しいボーイフレンドを得てからは関係は疎遠になった。
セドリック・ディゴリー[]
チョウは5年目にセドリックのガールフレンドになった。彼女は三大魔法学校対抗試合の第2の試練で人質となった。また、2人はホグズミードでデートをしているのが目撃されている。しかし、セドリックはヴォルデモート卿によって殺された。この事実は彼女に深い悲しみを与えることになった。
ハリー・ポッター[]
ハリー・ポッターは4年生の時にチョウの容姿に心を惹かれ、恋に落ちた。既にセドリックと踊ることは決まっていたが、ハリーはチョウをダンスの相手にしたいと考えていた。
舞台裏[]
- ハリー・ポッターシリーズの邦訳者松岡佑子によると、ローリングはチョウ・チャンを韓国系として考えていた[2]。
- 3000人以上の子供がチョウ・チャン役のオーディションを受けた。
- ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団の映画版ではマリエッタ・エッジコムは登場せず、代わりにチョウ自身が真実薬で裏切りを強要されているように描かれている。これは映画でハリーと破局した原因になっており、ハリーはセブルス・スネイプから顛末を聞くまではチョウの本意は分からなかった。
- 映画版ではチョウはハリーの同級生として描かれている。これは映画7作目にチョウがホグワーツ生である理由を補足するための設定である。原作ではチョウの年齢はハリーの1つ上である。
- チョウはハリー・ポッター世界でハリーの初恋、ファーストキスの相手で最初のガールフレンドであることで知られている。
登場作品[]
- ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 (初登場)
- ハリー・ポッターと炎のゴブレット
- ハリー・ポッターと炎のゴブレット (映画)
- ハリー・ポッターと炎のゴブレット (ゲーム) (収集カードで登場)
- ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団
- ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団 (映画)
- ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団 (ゲーム)
- ハリー・ポッターと謎のプリンス
- ハリー・ポッターと謎のプリンス (ゲーム) (ミュート)
- ハリー・ポッターと死の秘宝
- ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2
- ポッターモア
脚注[]
ダンブルドア軍団 | ||
---|---|---|
創設者 | ||
ハリー・ポッター | ハーマイオニー・グレンジャー | ロナルド・ウィーズリー | ||
指導者 | ||
ハリー・ポッター | ネビル・ロングボトム | ルーナ・ラブグッド | ジネブラ・ウィーズリー | ||
メンバー | ||
グリフィンドール | ケイティ・ベル | ラベンダー・ブラウン | コリン・クリービー | デニス・クリービー | シェーマス・フィネガン | アンジェリーナ・ジョンソン | リー・ジョーダン | コーマック・マクラーゲン | パーバティ・パチル | アリシア・スピネット | ディーン・トーマス | ロミルダ・ベイン | フレッド・ウィーズリー | ジョージ・ウィーズリー | ナイジェル・ウォルパート | 氏名不詳の女性 | 氏名不詳の女性 | |
レイブンクロー | テリー・ブート | チョウ・チャン | マイケル・コーナー | マリエッタ・エッジコム | アンソニー・ゴールドスタイン | パドマ・パチル | メイシー・レイノルズ | 氏名不詳の男性 | 氏名不詳の女性 | |
ハッフルパフ | ハンナ・アボット | スーザン・ボーンズ | ジャスティン・フィンチ-フレッチリー | アーニー・マクミラン | ザカリアス・スミス | リーアン | 氏名不詳の女性 | |
寮不明 | ルカ・カルーソ | アリス・トリパン | |
他の関連組織 | ||
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