デルフィーニ(1998年ごろ誕生)とはデルフィー(Delphi)というニックネームで知られる半純血の魔女であり、トム・リドルとベラトリックス・レストレンジの娘である。ヴォルデモート卿のひとり娘であることから、父の死後、彼女は唯一のサラザール・スリザリンの継承者となった。デルフィーニはクレイグ・バウカー・ジュニアを殺害した罪でアズカバンに収監された。
経歴[]
生い立ち (1998年~2020年)[]
デルフィーニは1990年代半ばから後半、マルフォイの館にてベラトリックス・レストレンジとヴォルデモート卿のもとに密かに誕生した。1998年5月2日、実の両親は共にホグワーツの戦いで殺された。ベラトリックスの夫、ロドルファス・レストレンジはこの戦いで生き残ったものの、アズカバンに送られた。
こうして若き日のデルフィーは父親と同じく孤児となった。ユーフェミア・ロウルは多額の金と引き換えにデルフィーを引き取り育てた。デルフィーによればロウルは彼女のことを好いてはいなかった。ロウルはペットのオーグリーを飼っており、オーグリーが鳴いたのはデルフィーがろくな死に方をしないと予見したからだと話した。
デルフィーはホグワーツ魔法魔術学校には通わなかった。他の子どもたちと交流することはなかったようで、14歳の時には親友が1人もいなかったという。さらに若い頃には空想の親友を創り出していたとまで話している。
あるとき、ロドルファスが再びアズカバンから戻った。ロドルファスはデルフィーに、彼女の本当の血筋と、成就すべき運命にあるという予言を教えた。
大いなる計画 (2020年)[]
聖オズワルド老人ホーム[]
デルフィーはエイモス・ディゴリーに錯乱の呪文をかけて自分の命令に従うようにし、彼の姪のデルフィー・ディゴリーと名乗った。
2020年8月31日、エイモス・ディゴリーはハリー・ポッターのところへ行き、逆転時計を使って三大魔法学校対抗試合の頃に戻り、ハリーと共に移動キーで墓地に到着した直後にヴォルデモートの命令で殺された息子、セドリックを守ってほしいと訴えた。
ハリーは断ったが、ハリーの息子のアルバスはこの会話を陰で聞いていた。アルバスと友だちのスコーピウス・マルフォイは、ディゴリー家に協力し、歴史を変えてセドリックを守ることを決意する。4年目のホグワーツに行く途中、計画を遂行するためアルバスとスコーピウスはホグワーツ特急から飛び降りた。
2人はエイモス・ディゴリーが生活する聖オズワルド魔法老人ホームに行った。デルフィーはそこで姪を装ってエイモスの世話をしていた。
魔法省侵入[]
アルバス、スコーピウス、デルフィーの3人は魔法省に侵入し、デルフィーがポリジュース薬でハーマイオニー・グレンジャーに変装するなどして、うまく逆転時計を盗み出した。
時間旅行[]
アルバスとスコーピウスは逆転時計を使って過去のできごとを変え、2つの別世界を作りだした。1つ目はハーマイオニー・グレンジャーが厳しい闇の魔術に対する防衛術の教授になっており、ロナルド・ウィーズリーはパドマ・パチルとあまり幸せとはいえない結婚をしている世界、2つ目は不死鳥の騎士団とダンブルドア軍団がホグワーツの戦いに敗れた世界である。アルバスが存在しないものとなるなど様々な試行の後、スコーピウスは正しい世界を取り戻す事に成功した。そして2人は魔法省を信用せず、自分たちの手で逆転時計を壊すことを決意した。
アルバスはデルフィーにふくろう便を送った。デルフィーは逆転時計を壊そうとしていたときにちょうどホグワーツに到着した。アルバスはデルフィーに謝り、もう過去に戻ってセドリックを救うことはできないと話した。アルバスとスコーピウスは自分たちが作った新しい世界では、セドリックが三校対抗試合の屈辱で恐れる若者に変わり死喰い人となって、最終的にはナギニを殺す前にネビル・ロングボトムを殺害したことで闇の帝王が支配する時代が訪れたと説明した。デルフィーはセドリックもわかってくれるはずだと話し、逆転時計を一緒に破壊しようと言った。叔父にはセドリックを救えない理由を説明するとも話した。
アルバスがデルフィーに逆転時計を渡したとき、アルバスとスコーピウスはデルフィーの背中に黒い鳥のタトゥーが入っていることに気がついた。デルフィーは、それはオーグリーで、孤児として育てられた幼少期を思い出させるものだと説明した。スコーピウスはヴォルデモートが勝利した世界で「オーグリー様」と呼ばれていたことを思い出し、2人はデルフィーが敵であることに気づいた。そしてデルフィーは杖を抜き、アルバスたちを縛り上げた。
本性の暴露[]
デルフィーは三校対抗試合の第三の課題でセドリックを生き残らせる計画を立てた。アルバスは反対したが、デルフィーはスコーピウスを殺すと脅した。ホグワーツの生徒であるクレイグ・バウカー・ジュニアが、学校中が探していると言って2人のところへ駆け寄ってくると、デルフィーはすぐにクレイグを殺した。デルフィーは両親同様に殺すことをためらわない。
デルフィーはアルバスとスコーピウスを連れて過去へ移動したが、2人は協力しようとしなかった。デルフィーがスコーピウスを殺そうとしたとき、それを課題の一部だと思ったセドリックがデルフィーを攻撃した。セドリックはアルバスとスコーピウスのひもを解いて、課題に戻った。
デルフィーはよろめきながら立ち上がって逆転時計を取り出し、アルバスとスコーピウスも逆転時計に触れようと手を伸ばした。3人は再び時間を移動したが、到着して間もなく、デルフィーは逆転時計を破壊して飛び去ってしまった。
移動したのは1981年10月31日、ハリー・ポッターの両親がヴォルデモートに殺された日である。アルバスとスコーピウスはデルフィーの計画に気づいた。ハリーを殺害しようとする父親ヴォルデモートを止めて、リリー・ポッターの愛が跳ね返した死の呪いでヴォルデモートが破滅するのを防ごうと計画していたのだった。
一方、アルバスとスコーピウスの親たちは彼らを探していた。アルバスが年上の女性と一緒にいたことをロン・ウィーズリーから聞いたハリーは、エイモスの姪デルフィー・ディゴリーのことだと確信した。ハリーたちはエイモスを訪れたが、エイモスに今もかつても姪がいないことが明らかとなる。エイモスがかけられていた錯乱の呪文は弱まっていたのであった。
これを知った大人たちはデルフィーの部屋に駆けつけた。部屋には、デルフィーがトム・リドルの娘であり、予言に従って父親の力を取り戻そうとしているという内容の言葉が浮かび上がった。
聖ジェローム教会の戦い[]
"人生を作り変えることはできない。おまえは一生、孤児だ。その事実はつきまとう" —デルフィーにかけたハリー・ポッターの言葉 [出典]
アルバスとスコーピウスは親たちにメッセージを送ることに成功した。最後の時間旅行直前にアルバスがこぼした魔法薬と反応して目に見えるようになる薬を使い、ハリーの毛布にメッセージを残したのである。子どもたちがいつ、そしてどこにいるのかを知ったハリー、ジニー、ドラコ、ロン、ハーマイオニーは別の逆転時計を使って1981年のゴドリックの谷に行った。アルバスとスコーピウスを見つけると、彼らは教会に隠れてデルフィーを探した。
ハリーは自ら名乗り出てヴォルデモートに変身し、デルフィーを罠へと誘う計画を立てた。ほかの者たちは大きな木製のドアの後ろに身を潜めて見守った。
デルフィーがついに姿を現し、ハリー(姿はヴォルデモート)は彼女のことを全く知らないかのようにふるまった。彼女はトム・リドルとベラトリックス・レストレンジの間に生まれた子どもであることを訴えた。そのとき、変身が解け始め、デルフィーは父親ではなくハリーと話していることを知った。ハリーを長い間観察し、自分の父親よりもハリーのことを知っていると主張したデルフィーは、仲間が加勢するのを防ぐためドアを封鎖した。デルフィーがハリーを攻撃し続ける中、杖を持っていないハリーはベンチの下に潜り込んだ。デルフィーがハリーを殺そうとしたそのとき、床の格子から出てきたアルバスがハリーに杖を投げた。ハリー1人では敵わなくとも、皆が揃えばデルフィーより強い。
デルフィーは彼らに殺すか記憶を消してくれと頼み、父親に会い、父親と一緒に居たかっただけだと語った。アルバスはクレイグの復讐として彼女を殺害しようと言ったが、ハリーは止めた。ハリーはデルフィーに共感していたのであった。自分がそうであったように、孤児という事実がつきまとう中で生きていかなければならないと彼女に伝えた。
監禁(2020年~)[]
デルフィーは敗北したのち、アズカバンに投獄された可能性が高い。
性格と特徴[]
デルフィーニは父親ヴォルデモートと同じように相手を意のままに操ることに長けており、残忍で知的な魔法使いだった。そのサディスティクな性格は明らかに両親の遺伝であり、許されざる呪文を躊躇なく使用することができ、目的の為ならば人殺しを簡単にやってのけた。
魔法能力と技術[]
- 決闘:デルフィーニは非常に能力に長けた決闘家であり、ハーマイオニー・グレンジャー魔法大臣やハリー・ポッター魔法法執行部部長といった4人の熟練した魔法使いを一時的に抑えることができた。
- パーセルタング:デルフィーは父親であるヴォルデモート卿からの遺伝でパーセルマウスであった。彼女は部屋を隠すためパーセルタングの暗号を用いた。
- 飛行:デルフィーは父親と同じように道具を使わずに飛ぶことができる。
- 杖なし呪文:デルフィーは杖なし呪文にも極めて長けており、ハリー・ポッターと対決しながら手の魔法でドアの鍵を閉めた。
舞台裏[]
- 舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』でデルフィーニを演じたのはエスター・スミスである。
- デルフィーニは1997年6月下旬に生まれたと考えることも可能である。そうであればJ・K・ローリングがアルバス・ダンブルドア死亡場面にベラトリックスを登場させなかったことに説明がつくからである。
- デルフィーが1997年6月頃に生まれたとすれば、1998年5月2日のホグワーツの戦いで両親が死んだ時には1歳近くになっていたことになる。また、デルフィーニの父親がハリー・ポッターの両親を殺害したときのハリーも1歳だった。
- いとこ半のエドワード・"テディ"・ルーピンと同じように彼女もホグワーツの戦いで両親を失っている。テディの母親を殺したのはデルフィーの母親である。