"今度の魔法は、もっとすごい。" —キャッチコピー [出典]
『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』(単に『ファンタビ』とも呼ばれる[1])はJ・K・ローリングによる『ハリー・ポッター』シリーズのスピンオフ作品『幻の動物とその生息地』を原作とした、前日譚映画シリーズの1作目である[2]。ローリングは本作で脚本家デビューを果たし、2016年11月18日にプレミア上映された[3]。『ハリー・ポッター』映画シリーズと同じくデヴィッド・ハイマンが『ファンタスティック・ビースト』の製作を担当する。
物語は『ハリー・ポッター』の70年前、1926年のニューヨークを舞台としており、ニュートン・スキャマンダーが主人公である[2]。『幻の動物とその生息地』によれば、スキャマンダーは1918年から世界中を股にかけた魔法動物の探索を始め、1927年にその集大成である『幻の動物とその生息地』を出版したとされる。
ワーナー・ブラザースから『幻の動物とその生息地』の映画化を持ちかけられた際、ローリングは他の作家にニュート・スキャマンダーを描くのは難しいだろうと考え、自らのアイディアを使って脚本を担当した[2]。2007年の完結から初めて『ハリー・ポッター』に復帰したローリングは「私はいつも、魔法の世界に戻るのは本当に素晴らしいアイディアがある時だけと言ってきたけどこれがそうなの」と語った[2]。
2014年5月13日、1作目は2016年11月18日公開と発表された。[4]
2014年10月6日、J・K・ローリングは"Cry, foe! Run amok! Fa awry! My wand won’t tolerate this nonsense."(「叫べ、敵よ!荒れ狂え!歪め!私の杖はこのたわごとに耐えきれない」)と謎めいたメッセージをツイッターに投降した[5]。翌日彼女はこれがなぞなぞであると認め、並べ替えれば、脚本には無いが、物語の概要を表した文になると明かした[6]。その日のうちにアナグラムの答えは"Newt Scamander only meant to stay in New York for a few hours."(「ニュート・スキャマンダーは数時間だけニューヨークにいるつもりだった」)であると判明した。[7]
映画の製作は2015年8月17日にリーブズデンで開始された。
あらすじ[]
映画の公式なあらすじは2015年12月11日に初めて公開された[8]。物語は1926年、魔法動物学の研究書『幻の動物とその生息地』の調査を終えニューヨークに短期滞在していたニュート・スキャマンダーを描いている。ノーマジのジェイコブ・コワルスキーがニュートの 魔法拡張スーツケースをうっかり壊したことにより多くの危険な魔法動物が街に逃げ出す。このことによりアメリカにおける魔法界と非魔法界の関係が脅かされる(このとき魔法族の根絶を訴え、「セカンド・セーレム」を求める熱狂的な過激組織新セーレム救世軍の存在によりすでに緊張状態にあった)。
登場人物[]
このリストは5部作の1作目に登場することが確認された人物たちでありそのほとんどがこれまでに正史で言及されていない新キャラクターである(既出の人物は『幻の動物とその生息地』で名前が出たニュート・スキャマンダーとポーペンティナ・ゴールドスタインなど)。
- ニュートン・スキャマンダー(エディ・レッドメイン[9]) - 魔法動物学者で『幻の動物とその生息地』の著者。イギリス魔法省所属でポーペンティナが想いを寄せる。変人で内向的であるとされている。
- ポーペンティナ・"ティナ"・ゴールドスタイン(キャサリン・ウォーターストン[10]) - ニュートと出会うアメリカ合衆国魔法議会(通称マクーザ、魔法省のアメリカ版)の野心的な職員。ティナは不正に立ち向かおうとして能力をはるかに下回る部署に左遷された。彼女は正義を求めて戦おうとしている。「賢明で落ち着いた」人物[11]。
- ジェイコブ・コワルスキー(ダン・フォグラー[12]) - 楽天的なノーマジ(マグル)の工員でパン屋を開業したがっている。ニュートと会って魔法の世界を知る。彼は恋人と破局した直後に映画に登場しクイニーに夢中になる。
- クイニー・ゴールドスタイン(アリソン・スドル[13]) - ティナの妹で同居人。おおらかで気ままで、人の心を読める「レジリメンス」の使い手[11]。「魅力的な」女性[14]。
- パーシバル・グレイブス[15](コリン・ファレル) - 強力な闇祓いでアメリカ合衆国魔法議会議長の右腕。[11] ニュート追跡の任務を任される。
- クリーデンス・ベアボーン[16](エズラ・ミラー[16]) - メアリー・ルーに虐待される養子[11]。魔法界の歴史に名を残すという。
- メアリー・ルー・ベアボーン(サマンサ・モートン[16]) - 魔法使いと魔女の根絶を目論む過激派セカンド・セイラマーズの偏狭なリーダー[11]。
- ナーラック(ロン・パールマン[15]) - もぐり酒場を営むゴブリンのギャングでニュートと取引する。[17]
- セラフィーナ・ピッカリー(カルメン・イジョゴ[15]) - アメリカ合衆国魔法議会(MACUSA、マクーザ)議長。
- ヘンリー・ショー・シニア(ジョン・ヴォイト[15]) - 新聞界の大物でヘンリー・ショー・ジュニアの父親。
- ヘンリー・ショー・ジュニア(ジョッシュ・カウダリー) - 新セーレム救世軍にピケッティングされた集会を開くアメリカの上院議員。ラングドン・ショーの兄。
- ラングドン・ショー(ローナン・ラフタリー) - ヘンリー・ショー・シニアの息子。彼はニューヨークで起きる、魔力が関連した一連の不思議な出来事を見る。
- モデスティ・ベアボーン(フェイス・ウッド=ブラグローヴ) - 「人の心の奥深くを見る能力」を備えた、取り憑かれた少女[18][19]。メアリー・ルーの最年少の養子で不服従をうまく隠している。
- チャスティティ・ベアボーン(ジェン・マレー[16]) - メアリー・ルーの最年長の養子で母親の魔法族に対する聖戦の手伝いをしている。
- アバナシー(ケヴィン・ガスリー) - ティナとクイニーのマクーザにおける上司。
- ゲラート・グリンデルバルド(ジョニー・デップ[20]) - 世界で史上もっとも危険な闇の魔法使いのひとりとされる人物。かつてアルバス・ダンブルドアの親友だった。
- ゴールドスタイン夫人(ファニー・カーボネル[21]) - ポーペンティナとクイニー・ゴールドスタインの母親。
- M・ヤング中尉(マシュー・ロバーツ[22])
- ギルバート・ビングリー(ピーター・ブレイトメイヤー[23])
- マダム・ヤ・ジョウ(ジェマ・チャン[24])
- デミガイズ(エド・オズモンド)
- 秘書(ルシー・ポール)
- 商売女(ローラ・マタッサ)
- リタ・レストレンジ(ゾーイ・クラビッツ、写真のみ) - スキャマンダーの信用を裏切ったかつての恋人。彼は苦い思いを抱いているが写真を持ち続けている。
魔法動物[]
映画に登場した魔法動物の一覧:
- ニフラー
- スウーピング・イーヴル
- ボウトラックル
- ビリーウィグ
- オカミー
- デミガイズ
- サンダーバード
- マートラップ
- エルンペント
- ヌンドゥ
- ドクシー
- ムーンカーフ
- フウーパー
- ディリコール
- グラップホーン
- グリンデロー
- 巨大フンコロガシ
- マーマイト
- 光り虫
- ルーンスプール (削除されたシーン)
- カッパ (カット)
- ヒッポカンポス (カット)
- キメラ (カット)
- アッシュワインダー (言及のみ)
- 不死鳥 (言及のみ) (像が登場)
- アパルーサ・パフスケイン (言及のみ)
- ウクライナ・アイアンベリー (言及のみ)
- ドラゴン (言及のみ)
- ユニコーン (言及のみ)
- ヒッポグリフ (言及のみ)
- グリフィン (ポスターで言及)
- ノグテイル (ポスターで言及)
トリビア[]
- 当初の予定では『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』はニュートン・スキャマンダーのドキュメンタリー風映画になる予定だった。[25]
- ジェイコブ・コワルスキーは『ハリー・ポッター』シリーズ初のマグルのメイン・キャラクターである。
- 主演のエディ・レッドメインはニュートが持っているようなトランクを日頃から愛用しており、監督のデヴィッド・イェーツに初めてあらすじを聞かされた際は、「誓ってニュートのトランクのことは知らなかったんだオーディションの攻略法みたいな感じでこの鞄を持って来た訳ではないんだよ!」と語っている。[26]