メローピー・リドル(旧姓ゴーント)(1907年~1926年12月31日)とは、純血の魔女であり、マールヴォロ・ゴーントの娘、モーフィン・ゴーントの妹である。メローピーはサラザール・スリザリンの直系の子孫に当たりパーセルマウスだった。彼女はリトル・ハングルトンの小屋で育ち、一緒に住んでいたマールヴォロとモーフィンから精神的かつ身体的虐待を受けていた。メローピーはハンサムで裕福なマグル、トム・リドルを熱狂的に愛するようになった。父親と兄の両方がアズカバンに収監されると彼女はトムを幻惑させ結婚した。結婚から一年後、騙されたことに気づいたトムは妊娠したメローピーを捨てた。彼女はやがてひとりでロンドンに現れウール孤児院で息子を出産してトム・マールヴォロ・リドルと名づけた直後に息を引き取った。
彼女の死から数十年後、ヴォルデモート卿という名を名乗るようになった息子は史上もっとも危険な闇の魔法使いと化した。
経歴[]
生い立ち[]
メローピー・ゴーントは1907年にリトル・ハングルトンに生まれた。彼女は父マールヴォロ・ゴーントと兄弟で暮らしていた。彼女の生まれたゴーント家はかつて純血の名家として名を馳せていたものの資産は尽きかけており、また純血を保つために何世代にも渡って近親交配した結果、精神異常者が多く発現するようになった。
メローピーは魔法力の発現が遅かったために父親であるマールヴォロから精神的、身体的暴力を受けており、「醜いスクイブ」呼ばわりされることは日常茶飯事だった。しかし、彼女の魔法力が発現しなかったのは父親の暴力の影響とされており、常に抑圧された環境にいたからだった。アルバス・ダンブルドアによれば魔法力はその人の心の状態に左右されることがあり、抑圧的な環境は人の力を押さえる働きがあるとされる。つまり、メローピーは魔法力はあったが実際には使わなかったと推測できる。
しかし、父マールヴォロと兄がアズカバンに投獄されると彼女の魔法力が発現し、家庭内暴力から抜け出すことができた。彼女は杖は所持していたものの、ホグワーツ魔法魔術学校には通っていなかった可能性が高い。おそらく彼女は自宅学習で独学で魔法を身につけていた。
結婚[]
メローピーは人生のある時点でハンサムで裕福なマグルであるトム・リドル・シニアに一目惚れした。しかし、トムはメローピーには興味を示さなかったことから何としても振り向いて欲しいと思った彼女は愛の妙薬を盛ることで強引に結婚を果たした。
結婚して1年後、メローピーは妊娠した。この時、嘘をつくことにうんざりしていた彼女は夫に薬を与えなくなった。彼女は2人との間に子供ができたことで離れることは無いだろうと考えていた。しかし、そのような期待は直ぐに潰えた。薬の支配から解放されたトムは彼女の元を離れてしまった。
出産[]
夫の突然の逃亡にメローピーは精神的なダメージを受け鬱状態となった。彼女はロンドンで貧困層として暮らし、家財道具など金に換えられるものは全て売った。例えばゴーント家が所有していた家宝であるスリザリンのロケットを10ガリオンでカラクタカス・バークに売却した。彼女は虐待をした家族の遺産よりも生活を工面することを選んだのである。
死[]
1926年の大晦日、彼女はウール孤児院の前の階段で陣痛で倒れ出産の準備をした。そして、孤児院のコール夫人に生まれてくる子供には夫と同じ名前をつけてほしいと頼んだ。メローピーは息子を生んだ1時間後に亡くなった。彼女の遺体がどうなったのかは不明である。
性格と特徴[]
メローピーは家族から日常的に虐待され、その結果彼女の性格は臆病で惨めなものとなり、正常に魔法が使えなくなる程のトラウマを抱えることになった。彼女は実際は魔法力は持っていたものの、父と兄への恐怖を前にして使うことができなかった。しかし、父と兄がアズカバンに投獄されると魔法が使えるようになり、彼女の性格も大胆なものへと変化していった。
メローピーはトム・リドル・シニアを熱狂的に愛していた。これは彼が去った後の精神的なショックと産まれてくる息子よりも夫を優先する彼女の態度にもそれが現れている。
登場作品[]
- ハリー・ポッターと秘密の部屋 (初言及)(リドルの母親として言及)
- ハリー・ポッターと炎のゴブレット (言及のみ)
- ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団 (言及のみ)
- ハリー・ポッターと謎のプリンス (初登場)(回想に登場)(メローピー・リドルとして初登場)
- ハリー・ポッターと謎のプリンス (映画) (「ヴォルデモートの母親」として言及)
- ハリー・ポッターと死の秘宝 (言及のみ)