"『動物』の定義は、何世紀にもわたって論議のまとだった。魔法動物学を初めて学ぶ学生の中には驚く者もいるかもしれないが、3種類の魔法生物を考えてみれば、この問題がより明確になるだろう" —ニュート・スキャマンダー著、『幻の動物とその生息地』より [出典]
動物(Beast)は魔法省による魔法界の生物の3分類のうちの1つ。他に存在と霊魂がある。動物とは、魔法社会の法律を理解できる知性を持たず、立法に関わる責任を担うことができない生物である。現在魔法社会で受け入れられているこの分類は、1811年にグローガン・スタンプ魔法大臣によって定められた。同時に、魔法省の魔法生物規制管理部に存在課、霊魂課、動物課が設けられた。魔法使いの中には、マグルを動物に分類すべきだと主張する過激論者もいる。
魔法省はケンタウルスやマーピープルを動物に分類している。彼らは鬼婆や吸血鬼と同じ「存在」扱いされることに抗議し、自ら動物にとどまることを要求したのである。そのためケンタウルス担当室は動物課に置かれているが、ケンタウルスがここを利用したことは一度もない。
高い知性を持っていても、野蛮な性格を制御できないため動物に分類されている生物もいる。アクロマンチュラやマンティコアは知的な会話ができるが、ヒトが近づくと野性を抑えることができなくなる。スフィンクスはなぞなぞや難問を出すという形でしか会話ができず、答えを間違えると狂暴になってしまう。また、狼人間は変身した状態の時のみ動物に分類される。狼人間は普段は正気を保ち、普通のヒトと変わりはない。