巨人とは最大約25フィートに及ぶ巨大な体躯を持った人型の魔法生物である。魔法省の分類上ではヒトたる存在に属していた。かれらは魔法族ほど賢くはなかったが、意思疎通を図ることができるほどの知能を有していた。巨人はおもに固有の言語を使用したが、ときに英語をつかうこともあった。
特徴[]
巨人にはただ人間を巨大化させたような外見のものもいれば、非常に毛深いもの、動物的な特徴(鋭く突き出た臼歯など)をもつものも存在した。通常巨人は部族単位で生活し、規模が縮小すればほかの部族と合併することもあった。部族は強力な巨人の長(ガーグ)に率いられていた[2] 。
成体の巨人の平均身長は20から25フィートだった。ルビウス・ハグリッドの異父弟グロウプは例外で、身長が16フィートほどしかなかった[3] 。
行動と特性[]
巨人は魔法族にはおとるがトロールにはまさるほどの知性を有していた。かれらは魔法を理解し、(自分たちに向けられる場合をのぞけば)魔法の行使を好んでいた。巨人は固有の文化や言語、社会構造を持っていた[2]。かれらは英語(おそらくほかの言語も[4])を習得することができた[3]。
巨人は自らの巨大な体躯に誇りを持ち、子供にも大きさを求めていたため、生まれた子供が小さいと失望した[3]。なかには小さすぎる子供を捨てることを選ぶものもいた。
残念ながら、たいていの巨人は長い議論に耐えることができなかった。テーマがあまりに複雑であるとわかった場合、聴衆を殺すことによって問題を"単純化"することを好むようだった。そのため、巨人を宥める際には贈り物を用意しておき、時間をかけて、差し出された物をどうするか決める特権を巨人に与えることが不可欠だった[2]。
言葉で諍いを解決する忍耐を欠いていたために、巨人は狭い場所で他者と窮屈に過ごすことに慣れておらず、寝る場所や食べ物など些細なことで争った。ゴルゴマスがカーカスを殺した時のように、その地位を得るために殺されることもあるため、ガーグという首長の地位でさえ部族の完全な忠誠を保証するものではなかった。巨人にとって力は正義だった[2]。
すぐれた魔法能力がなくとも巨人は非常に強力な生物だった。規格外の大きさに比例した圧倒的な生身の強さを持つ巨人にはほとんどの呪文が効かず、魔法族がかれらを拘束することは困難だった。
魔法省から来た魔法使いが6人がかりで半巨人のルビウス・ハグリッドの制圧にかかったとき、ほとんどの麻痺呪文は跳ね返された[5]。シリウス・ブラックによれば成体のドラゴンは魔法使いが6人いれば麻痺呪文で気絶・服従させることが可能であったことを鑑みると、純血の巨人はドラゴンよりも強靭であった可能性がある。
ただし、オリンペ・マクシームが結膜炎の呪いを用いてゴルゴマスの部下の一部を鎮めることに成功していたため、巨人もドラゴン同様に目が弱点だった可能性がある[6]。
魔法界における巨人[]
既知の巨人[]
既知の半巨人(Half-giant/Part-giant)[]
- ルビウス・ハグリッド
- オリンペ・マクシーム
- プロンク
こちらも参照[]
舞台裏[]
- 巨大な人型の怪物は世界中の多くの民話伝承に登場する。英国のファンタジーを重視したハリー・ポッターの世界の巨人の場合、その描写はジャックと豆の木などの英国の巨人民話に基づく可能性が高い。
- WOMBATによると、巨人には人食い、あるいは弱視の傾向があった。後者はグロウプがハリーとハーマイオニーを見るために顔を近づける必要があったことや、その後ケンタウルスを見るために顔を近づけていた描写で裏付けられる。
- かなりの体格差がある巨人が人間とどのように交配できるのかは不明である。
登場作品[]
脚注・出典[]
- ↑ JKローリング公式サイト - Wizards' Ordinary Magic and Basic Aptitude Test, Grade 3, Question 14 (see here
- ↑ 2.0 2.1 2.2 2.3 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第20章 ハグリッドの物語
- ↑ 3.0 3.1 3.2 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第30章 グロウプ
- ↑ ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2 (ゲーム) (A Giant Problem) - ミネルバ・マクゴナガルが戦った巨人はベルトから本を下げていた。
- ↑ 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第31章 ふ・く・ろ・う
- ↑ 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第33章 闘争と逃走